<これまでもハチの成虫への農薬の作用を研究する論文はいくつか発表されてきたが、幼虫期に農薬がどのような影響を及ぼしているのかを解明した研究がはじめて発表され注目されている......> ミツバチが大量に失踪する「蜂群崩壊症候群(CCD)」が世界各地で確認されるなど、近年、ミツバチの個体数が減少している。その要因のひとつとして、農作物に散布される農薬がミツバチの生態に影響を及ぼしているのではないかとみられている。 たとえば、ネオニコチノイドは、蜂群崩壊症候群の誘因となるなど、ミツバチへの影響が指摘され、欧州連合(EU)で使用規制されているが、現在も、米国や日本をはじめ、世界で広く用いられている。 農薬の幼虫期への影響を解明した初の研究成果 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームは、2020年3月4日、学術雑誌「英国王立協会紀要」において、「農薬はマルハナバチの幼虫の脳に害を