ノワール映画もジャパンクール 今回、取り上げる作品の一作目『木屋町 DARUMA』に関して、最初に本作の大きな構造を俯瞰すると、この物語は、清流と言って良い、綺麗な川の流れる木屋町という京都の街の裏側にさえ、底辺の世界があって、更にそこには突出して凄まじいキャラクターがいて、、、、という異形のヤクザ映画で、主人公たちは最終的にその川に殺され落ちて浄化されていく……という構造になっています。この川はガンジス川と同じで、いろいろな汚れや悲惨な人生も飲み込んで流れていくもので、川による浄化。は、この作品の重要なモチーフだと思います。僕はあまり京都に詳しくはないので、実際の木屋町の様子はわからないのですが、映像を観る限りは素敵な観光の街という印象です。 つまり本作は、典型的な、しかし、一般映画界では数少なくなってしまった日本のノワール映画です。単純にヤクザ映画というより、社会の底辺にある黒い世界を
