東京の街全体が舞台芸術によっておおいつくされる幸せな1カ月が、10月30日(土)からはじまる。トーキョー発、舞台芸術の祭典『フェスティバル/トーキョー』だ。都内の劇場、そして街中でパフォーマンスが繰り広げられる。中国、アルゼンチン、ドイツ、スペインなど、世界中のアーティストが東京に集い、演劇、ダンス、音楽や映像とフィジカルな表現が融合したものなど、ジャンルを超え多くの作品が上演される。なかでも、フェスティバル/トーキョー期間中の毎週末、池袋の西口公園で(願わくば)秋晴れの空の下で開催される『パブリック・ドメイン』は、これまでの“演劇”の枠組みを超えてゆくユニークなパフォーマンスだ。 スペインを拠点に活動する演劇人、ロジェ・ベルナットによる『パブリック・ドメイン』には、いわゆる“出演者”はひとりもいない。2000円を払って、チケットを買った150人の観客が池袋西口公園に集う。観客は与えられた