産業スパイ天国。日本企業は情報管理が甘く、技術者の待遇が悪いため、技術に飢えた中韓の企業による格好の草刈り場となっている。厚遇に惹かれて海を渡った技術者には過酷な運命が待ち受ける。 冷遇した古巣を見返したい 「スパイ」の末路は哀れなものだった。 東芝の企業秘密を韓国の半導体大手「SKハイニックス」(以下、SK社)に漏洩したとして、杉田吉隆被告(52歳)が不正競争防止法違反(営業秘密の不正開示)罪で起訴された。 「韓国の企業から億単位のカネを稼いできた。一生働かなくても遊んで暮らせるカネがある」 周囲にそう吹聴していたという杉田被告。そのカネは東芝が営々と築いてきた最先端技術をスパイし、韓国企業に横流しすることで得られたものだ。 杉田被告は米半導体大手「サンディスク」日本法人に在職中の'08年1月から5月にかけて、提携先の企業である東芝の主力製品「フラッシュメモリー」の研究データを違法にコピ