後に三次台湾海峡危機と呼ばれた緊張の中で、米国は2つの空母打撃群を同海峡に派遣。強大な軍事力を誇示する米空母群の存在は中国を圧倒し、その後ろ盾を受けた李は54%の得票率で当選を果たした。 ──関連記事:中国習近平の「強軍戦略」、米国の優位脅かす しかし、その後、米国の動きは様変わりし、今は中国への不用意な刺激を避けるかのように慎重だ。 米側は過去11年間、同海峡に空母を派遣していない。今年4月28日、米国は昨年7月以来、7度目となる派遣を実施したが、同海峡を通過したのは2隻の駆逐艦だけだった。 一方、中国国家主席の習近平には、ためらいは見られない。今年1月2日、習は、台湾に武力解放ではなく平和統一を呼びかけた「台湾同胞に告げる書」の40周年記念の式典で演説し、台湾支配を回復するために必要ならば武力の行使も辞さないとの厳しい姿勢を改めて明確にした。 「トランプ政権はジレンマに直面している」と