「人形」と聞いてなにをイメージするだろうか? 女の子が遊ぶリカちゃん人形、ひな祭りで飾られるひな人形、洋室に置かれているフランス人形など、成人男性には少し遠い存在かもしれない。そんな人形を物心ついたころから71歳にいたる現在まで、毎日作りつづけている男性がいる。人形作家・四谷シモンだ。幼いときに「人形で食べていく」ことを心に決め、25歳で大阪万博に人形を出品、30歳には個展を開催、66歳のときにはとうとうポーランドの芸術団体の招待を受けて展覧会を開催している。今でこそ、四谷シモンによって切り開かれた「創作人形」のジャンルには、何人かの有名な作家がいたり、一定の人形ファンがいたりと小さいながらも市場がある。しかし、初めの一歩を踏み出した四谷シモンの覚悟は相当なものだっただろう。 そんな四谷シモンが主催する「エコール・ド・シモン人形展」が、5月14日から六本木ストライプスペースで開催されている