神奈川県を代表する観光地のひとつ、湘南の江の島。その近くにも、海の見える駅がいくつかある。中でもホームからの眺望に優れているのが、江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅(鎌倉市)と、湘南モノレールの目白山下駅(藤沢市)だ。どちらも相模湾を望める無人駅で、直線距離でも1キロほどしか離れていない。しかし、実際に訪れてみると、それぞれ趣のまったく異なる情景があった。(訪問:2022年1月) フォトジェニックな光景に人が集う、鎌倉高校前駅 最初に向かったのは「江ノ電」こと江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅。江ノ島電鉄は藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ全長10キロの路線で、鎌倉高校前駅はそのほぼ中間地点にある。 休日の昼、藤沢駅から江ノ電のずんぐりとした小さな車両に乗り込む。早々に観光客や地元の方で席が埋まった。 江ノ電は乗っているだけでも十分に楽しい。くねくねと住宅の間を縫って進んでいったかと思えば、道路の真ん中を路面電車のように走