来年生誕500年の節目を迎える静岡県ゆかりの戦国武将今川義元の愛刀で、国の重要文化財「義元左文字」を作刀当初の姿でよみがえらせる取り組みが、富士市の刀鍛冶、内田義基さん(48)らの手で始まった。富士宮市にある内田さんの作業場に8日、昨年の大河ドラマで義元役を演じた静岡市出身の落語家春風亭昇太さん(58)が訪れ、始まりのつち入れ式を行った。 義元左文字は桶狭間の戦いで義元が討たれた際、織田信長の手に渡り、太刀を磨いて短くし、腰に差す打ち刀とした。その後は豊臣秀吉、徳川家康と天下人に継承され、明治期に徳川家から京都市の建勲神社に奉納され、現在に至る。 復元プロジェクトは内田さんの知人で、富士宮市の会社員佐野翔平さん(27)が「義元の功績を若い世代にも広めるきっかけに」と発案。現存の刃長は67センチだが、義元が愛した2尺6寸(約80センチ)の太刀を打つ。つばなどの外装品は、東京都の刀鍛冶、水木良