過激派組織「イスラム国」(IS)の指導部はシリアの支配地が陥落した時に備え、北アフリカのリビアに大脱出する計画を準備しつつあるようだ。脱出先の地中海の沿岸都市シルトにはすでに外国人戦闘員とその家族があふれ、“第2のラッカ”の様相だ。 ISの撤退計画 ニューヨーク・タイムズやウオールストリート・ジャーナルなど米メディアなどが伝えたところによると、内戦状態にあるリビア中部の地中海沿岸にあるシルトは完全にISの支配下に置かれ、外国人戦闘員ら約5000人が集結、まるでシリアの首都ラッカと同じような状況だ。 シルトにISの黒旗が最初に掲げられたのは1年前。その時の勢力はわずか200人にも満たなかったことから見ると、ISが組織的にシルトの増強を図ってきたことが分かる。ISの宣伝機関も最近、シリアではなくリビアに行くように外国人に呼び掛けている。 この点について米国防総省高官はNYタイムズに「撤退計画」