ダーウィン-「進化論の父」の大いなる遺産 (中公新書 2813) 作者:鈴木 紀之中央公論新社Amazon 本書は進化生物学者鈴木紀之によるダーウィンについての一冊.ダーウィンを語る本は,ダーウィンイヤー(生誕200年,種の起源出版150年)であった2009年辺りにずいぶん出版され,ダーウィンファンの私は喜んで片っ端から読んだものだが,それも一段落し,最近はあまり見かけなくなっていた.そこに久々のダーウィン本の新刊ということになる. 本書の特徴はダーウィンの生涯を,(「種の起源」だけでなく)数多くの著書の内容を中心に振り返っていることで,サンゴ礁の理論,植物関連本の紹介はこれまでの(日本語の)ダーウィン本ではあまり触れられていない部分でもあり,非常に嬉しい一冊になっている. 序章 ダーウィンが変えたもの 序章ということで,進化とは何か,自然淘汰とは何かについての簡単な解説がおかれている.ダ