前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』『バッタを倒すぜアフリカで』(光文社) 2017年に刊行された前作『バッタを倒しにアフリカへ』がベストセラーとなった前野ウルド浩太郎氏。その7年越しの最新作が『バッタを倒すぜ アフリカで』である。その内容は前作よりもグッと学術的になり、そして有名な学者になってしまったがゆえの葛藤も綴られている。 『バッタを倒しにアフリカへ』では、昆虫学者に憧れる著者がアフリカに旅立つまでの経緯、アフリカでの生活やフィールドワークの様子、そして学業で食っていくことがいかに困難であるか、といった内容が綴られていた。バッタに貪り食われるのを夢と語る前野氏のパーソナリティ、そして西アフリカでバッタと戦うことの意義ややりがいが軽妙な語り口で綴られ、25万部突破のベストセラーとなったのも頷ける一冊である。 しかし、『倒しに』を読んだ自分の脳内には、「結局この人、何を研究して