現在、175平米26万円で販売されている擁壁上の宅地。東京から高速道路で1時間程度の立地だが、この価格でも買い手を探すのが困難になっている。(千葉県富里市十倉) - 筆者撮影 日本の郊外には放棄された分譲地が大量にある。どんな共通点があるのか。「限界分譲地」を取材するブロガーの吉川祐介さんは「千葉県北東部の場合、『擁壁のある土地』が大量に放置されている。販売価格は安いが、実際に家を建てようとすると、整地のために数百万円の出費が必要なので、だれも手を出さない」という――。 【写真】傾斜地に造成されたひな壇住宅地。各区画に擁壁が設けられている。 ■日本の郊外で分譲地の価格崩壊が進んでいる 不動産、特に土地の価格は、何よりもまず立地条件や利便性に左右される。そのうえで、広さや地形、接道方向や前面道路の幅員の違いによって価格が決められる。 宅地を例に挙げれば、例えば最寄り駅からの距離がほぼ同じで利