映画館の“アトラクション化”が止まらない。映像に合わせて座席が動いたり風が吹いたりする「4D」の導入スクリーン数はこの4年で10倍に増えた。新たにヘッドマウントディスプレー(HMD)をかけて楽しむ「VR映画」も登場した。生活者の消費対象は「モノ」から「コト」に移ったとされる。その中で、シネマコンプレックスを運営する興行会社は技術革新が生み出した最新設備を導入し、特別な体験ができる場所としての価値を磨くことで収益力を高めている。 一方、最新設備に頼った運営で集客力を維持するためには、常に新たな投資に挑む必要がある。興行会社からはその苦しさを吐露する声も漏れる。 新たな「体験型」に期待 「映画館でVR!」―。7月、東映はVAIO(長野県安曇野市)やクラフター(東京都港区)と共同でVR映画の上映に乗り出した。VR映画は映画館の音響設備により家庭などでのVR映像視聴では味わえない高い没入感を体験で