『友ヶ島第3砲台美術館』 かつて、国を守るため、 いくつもの砲台が設置され、 要塞へと変貌を遂げた島がありました。 やがて、訪れた太平洋戦争。 しかし、その島が力を発揮する時は遂に訪れず、 使われることのなかった砲台をはじめとする施設は、 その姿、形を残したまま眠りにつきました。 のどかな紀淡海峡に浮かぶ和歌山市友ヶ島。 生い茂る草木。苔の生したレンガ。 当時の姿をそのままに留めた要塞施設は、 この国で戦争の時代があったことを、 今に教えてくれます。 そんな施設の一つ、 第3砲台が美術館として生まれ変わります。 歴史遺産をそのまま生かし、 この施設が生み出す静寂の空間に身を置く。 そして、暗闇の中で、光に目を凝らす。音に耳を澄ます。 それがこの美術館の鑑賞方法。 暗い戦争の時代から時を止めた空間の中で、 現代に産声を上げた作品と出会う。 ここは影と光、戦争と平和、過去と現代が交錯し、 未来