フランス南部アンティーブの水族館「マリーンランド」で泳ぐシャチの母子(2011年4月19日撮影、資料写真)。(c)AFP/VALERY HACHE 【1月18日 AFP】欧州の海に生息するシャチが、有毒なポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物のせいで絶滅の危機にひんしているとの研究報告がこのほど発表された。自然分解されにくいPCBは、イルカなどさまざまな海洋生物の脅威にもなっており、繁殖能力を著しく害しているという。 1987年に禁止されるまで欧州各地の工場や建築現場で広く利用されていたPCBは、食物連鎖を通じて濃縮され、シャチやイルカの脂肪組織に蓄積されていく。その上、母乳を介して子世代の体内にも有毒物質が引き継がれていく。 「西ヨーロッパの沿岸には、シャチはほとんど生息していない」。14日に発表された論文の第一著者で、英ロンドン動物学会(Zoological Society of Lond