レンタルなんもしない人『<レンタルなんもしない人>というサービスをはじめます。』 徹底した無害性、そして有用さを求められることへの復讐 ギブ&テイクのコストがかぎりなくゼロに近い存在 この数ヶ月で複数の友人から「Twitterで活動しているレンタルなんもしない人というのがいて、あなたとは思想的に合わない部分もあるかもわからないけど、現象としてはおもしろいと感じるんじゃないか」というような、迂遠なおすすめをもらった。私はTwitterを見る習慣がない。ところがこのたびは書籍『<レンタルなんもしない人>というサービスをはじめます。』(河出書房新社)が出たというので読んだ。本ならTwitterをたどるよりめんどくさくないから読める。 そういう非SNS的な人間の理解によれば、「レンタルなんもしない人」のサービス内容は、だいいちに人間関係上のギブ&テイクのコスト抜きに他者存在を提供することである。