大手4社が相次いで発表した今期のRTD(蓋を開けてすぐに飲めるアルコール飲料)商品。サントリー、サッポロビール、キリンビールを取り上げた前編に続き、後編では、アサヒビールにフォーカスする。同社は2022年、「スーパードライ」をリニューアルし、ビール市場でシェアトップに返り咲いた。一方、RTDカテゴリーでは苦戦が続く。そこで23年は、収益拡大や看板ブランドの育成を狙い、他社とは一線を画したマーケティング施策を打つ。後発だからこそ実現した大胆な戦略とは。 アサヒビールは2023年3月10日、RTDカテゴリーの戦略説明会を実施。会見にはアサヒビール元マーケティング本部長(現職は社長)の松山一雄氏(画像左)が登壇した 「看板ブランドがない」状態脱却へ 「残念ながら当社は現在、RTD事業において確固たる地位を築けていない。また、市場を席巻するような強い価値を持つブランドも持ち合わせていない」 202