完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 3月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.5%と前月から0.2ポイント上昇したが、真の失業率は1.7%と前月から0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。 所定内給与と消費者物価の相関に関する2月までの結果は以下のようになる。物価および賃金はともに上昇基調であるが、1月のサンプル替え後、賃金は大幅減少し、断層的な状況が生じている*2。 (参考エントリー) アベノミクス以降の労働力率(2018-02-