大々的に“泣ける”と銘打たれているものは苦手だ。世の中の常識や“普通”を押しつけられると、けっと毒づいてしまう。そんな頑固でひねくれ者の大人にこそ読んでほしい絵本『このあと どうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)。特別な訓示があるわけじゃないのに、なんだろう、このこみあげてくるものは。大切な人に贈って感想を聞きたくなる、そしてお互いのことを話して「うん、うん、そうだよね」とうなずきあいたくなる、そんな不思議な絵本なのだ。 物語の筋はシンプルだ。死んだおじいちゃんの部屋から“ボク”が見つけた「このあとどうしちゃおう」ノート。そこにはおじいちゃんが想像した“このあと”――つまり死んだあとのことがたくさん描かれていた。なんだか楽しそうな死後の世界にボクはくすりと笑いながら、おじいちゃんは何を考えていたのだろうと思いを馳せる。そんなボクにお父さんは言う。「ほんとのところはおじいちゃんに