紀元2世紀:プトレマイオス(天文学) 17世紀初期:ガリレオ(物理学) 17〜18世紀:ニュートン(近代物理学) 18世紀:ベルヌーイ(数学) 19世紀:ドルトン(化学)、メンデル(遺伝学)、ダーウィン(進化学) 20世紀:バート(心理学)、野口英世(細菌学) 科学の世界にいれば誰もがその名前を知っている上記の偉大な科学者が、すべてなんらかの「研究不正」、あるいは不正と言わないまでも、科学者としての倫理規範に抵触していた、という事実は、案外知られてはいません。いわば、研究不正は科学の歴史とともに、どんな分野においても存在したと言えるのですが、その数が増えてきたのは、明らかに科学が国家と結びついてからでしょう。 欧州出張の機上でちょうど読み終えた本書『背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?』(講談社)の原著は、1970年代からの米国における論文不正事件の多発を背景として1982年