監督就任5年目の森保。シーズンを戦い抜くために、森保に任された大きな仕事の一つが選手起用だ。森保は、この任務が「最も嫌な作業」だと言う。それは、試合に出たいと必死に努力を続ける選手たちの“心”を預かっているということを、忘れてはいけないと肝に銘じているからだ。 森保は選手たちがベストの状態で練習し、試合に臨めるよう、心の通ったコミュニケーションを取りながら、同時に、選手のやる気に火を点けていく。 これまでのサッカー人生の中でさまざまな敗北を味わってきた森保。そんなとき、森保はいつも自分の基本に立ち返ることで、どん底からはい上がってきた。森保はその経験から、逆境に陥りやすいプロの世界で生きる選手たちにも、逆境に陥ったら、いったん「自分の基本」に立ち返って、そこからもう一度挑戦することを求めている。そうすることで、その選手が“自然体”を取り戻し、本来持つ強みをよみがえらせられると森保は考える。