がん治療で卵巣機能が失われる女性患者の卵巣を凍結保存するため全国13施設が連携する事業を5月に始めると、仙台市の医療法人が27日、東京都内で発表した。聖路加国際病院(東京都)や兵庫医科大病院(兵庫県)などが参加するという。 がん患者が将来の妊娠の可能性を残すための卵巣凍結は現在、日本産科婦人科学会(日産婦)の登録22施設でできるが、新しい技術のため実施例はまだ少ない。医療法人側は「連携で地方在住者にも利用が広がる」としているが、専門家からは有効性を懸念する声も出ている。 発表したのは「レディースクリニック京野」の京野廣一理事長。計画では、乳がん患者らの卵巣を摘出し同法人が設ける「卵巣バンク」に低温で搬送。凍結保存し、治療後に患者のいる連携病院で再移植する。対象は37歳以下のがん患者に限り、将来の妊娠・出産に備える健康な女性には実施しないという。患者の費用は1年間の保存で約10万円。 この記