一昔前、法務大臣は影が薄い時期が続いた。閣僚人事の最終枠でもめて、最後にあてはめるようにして行き場のない人を大臣に当てはめたケースもある。今回の改造菅内閣で、なぜ柳田稔参議院議員が法務大臣に就任したのかは明かされていないが、「法務行政に精通していない」ことだけは確かだった。 私が3期11年、衆議院法務委員会に在籍した間に、「盗聴法(通信傍受法)」「刑務所問題」「共謀罪」「死刑」「裁判員制度」など大きく世間の耳目を集めるよう問題が発生し、国会内の院内集会やシンポジウムで衆参の議員と専門家や市民団体・NGOの人々と時々のテーマを論じる機会が多くあった。一度も柳田氏の姿を見たことはない。民主党関係者に聞いてみても、「法務は初心者」というのは間違いない。問題の発言は、11月14日、広島で飛び出した。 〔引用開始〕 「法相はいいですね。(国会答弁では)二つ覚えておけばいいんですから。「個別の事案につ