地下鉄サリン事件で、防護服を着けて地下鉄霞ケ関駅構内に入る東京消防庁化学中隊の隊員(1995年3月20日、東京・千代田区)【時事通信社】 地下鉄サリン事件から3月20日で27年がたつ。日本の首都・東京の地下鉄で、月曜日朝の通勤時間帯に化学兵器のサリンが同時多発的にまかれ、乗客や駅員13人が死亡、約6300人が重軽症を負った未曽有の事件は、世界中に衝撃を与えた。今でこそ、事件は「テロ組織」と呼称するにふさわしいオウム真理教による事件であることは誰もが知るところだが、そもそも日本の行政当局が宗教法人として認証した宗教団体が、なぜそのような事件を引き起こしたのか。それが日本征服を目的とした全体計画の「前哨戦」にすぎなかったことを、現在どれだけの日本人が理解しているだろうか。(作家・ジャーナリスト 青沼陽一郎) サリン70トンを オウム真理教の教祖にして、教団の引き起こした坂本弁護士一家殺害事件、