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ブックマーク / www.aozora.gr.jp (42)

  • 中勘助 銀の匙

    私の書斎のいろいろながらくた物などいれた箱の抽匣(ひきだし)に昔からひとつの小箱がしまつてある。それはコルク質の木で、板の合せめごとに牡丹の花の模様のついた絵紙をはつてあるが、もとは舶来の粉煙草でもはひつてたものらしい。なにもとりたてて美しいのではないけれど、木の色合がくすんで手触りの柔いこと、蓋をするとき ぱん とふつくらした音のすることなどのために今でもお気にいりの物のひとつになつてゐる。なかには子安貝や、椿の実や、小さいときの玩(もてあそ)びであつたこまこました物がいつぱいつめてあるが、そのうちにひとつ珍しい形の銀の小匙のあることをかつて忘れたことはない。それはさしわたし五分ぐらゐの皿形の頭にわづかにそりをうつた短い柄がついてるので、分(ぶ)あつにできてるために柄の端を指でもつてみるとちよいと重いといふ感じがする。私はをりをり小箱のなかからそれをとりだし丁寧に曇りを拭つてあかず眺め

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    raycy 2024/04/14
  • 殺意(ストリップショウ) (三好 十郎)

    この作品には、今日からみれば、不適切と受け取られる可能性のある表現がみられます。その旨をここに記載した上で、そのままの形で作品を公開します。(青空文庫

    殺意(ストリップショウ) (三好 十郎)
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    raycy 2023/02/01
  • 蟹工船 (小林 多喜二)

    秋田県の農家に生まれ、北海道小樽で育つ。「1928年3月15日」「蟹工船」などの作品により、日のプロレタリア文学運動を代表する作家となった。1933年、地下活動中に逮捕され、東京・築地署で拷問により殺された。 「小林多喜二」

    蟹工船 (小林 多喜二)
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    raycy 2022/09/18
  • 長谷川時雨 下町娘

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    raycy 2022/08/07
  • 長谷川時雨 四人の兵隊

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    raycy 2022/08/06
  • 宮沢賢治 大礼服の例外的効果

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    raycy 2022/08/04
  • 株式仲買店々員 (ドイル アーサー・コナン)

    エジンバラ生まれ。医師として開業後、ホームズものの最初の作品「緋色の習作」を発表し、その後「ストランド・マガジン」にホームズものが連載される。冷静で鋭いホームズとさえないが温厚なワトソンが難事件に挑むこのシリーズは70編近くある。1902年にはボーア戦争での医師としての活躍、イギリスの参戦を正当化したなどの業績でナイトに叙される。第一次世界大戦での息子の死後、心霊現象に関心を寄せる。 ホームズのシリーズが与えた影響は探偵小説にとどまらない。シリーズに関しては詳細な研究がされており、シャーロッキアンと呼ばれるファンが世界中にいる。ホームズものに関する辞典は何冊も出され、ホームズものを題材にしたもまた数多い。ドイルによって書かれた「聖典」の他に、多くの作家がパスティッシュやパロディを発表した。また岡綺堂の『半七捕物帳』シリーズのきっかけともなった(参照『お文の魂』)。(山ゆうじ) 「アー

    株式仲買店々員 (ドイル アーサー・コナン)
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    raycy 2022/05/31
  • 作業中 作家別作品一覧:長谷川 時雨

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    raycy 2022/05/30
  • 坂口安吾 ラムネ氏のこと

    上 小林秀雄と島木健作が小田原へ鮎釣りに来て、三好達治の家で鮎を肴に事のうち、談たま/\ラムネに及んで、ラムネの玉がチョロ/\と吹きあげられて蓋になるのを発明した奴が、あれ一つ発明したゞけで往生を遂げてしまつたとすれば、をかしな奴だと小林が言ふ。 すると三好が居ずまひを正して我々を見渡しながら、ラムネの玉を発明した人の名前は分つてゐるぜ、と言ひだした。 ラムネは一般にレモネードの訛(なまり)だと言はれてゐるが、さうぢやない。ラムネはラムネー氏なる人物が発明に及んだからラムネと言ふ。これはフランスの辞書にもちやんと載つてゐる事実なのだ、と自信満々たる断言なのである。早速ありあはせの辞書を調べたが、ラムネー氏は現れない。ラムネの玉にラムネー氏とは話が巧すぎるといふので三人大笑したが、三好達治は憤然として、うちの字引が悪いのだ、プチ・ラルッスに載つてゐるのを見たことがあると、決戦を後日に残して

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    raycy 2022/05/29
  • 福沢諭吉 小学教育の事

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    raycy 2020/04/01
    “日本にて統計表の不十分なるも、その罪、多くは帳合法のふたしかなるによるものなり。”
  • デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 経済学及び課税の諸原理 PRINCIPLES OF POLITICAL ECONOMY AND TAXATION

    経済学及び課税の諸原理 PRINCIPLES OF POLITICAL ECONOMY AND TAXATION デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 訳序 書はデイヴィド・リカアドウ David Ricardo の主著『経済学及び課税の諸原理』"Principles of Political Economy and Taxation." の全訳である。 リカアドウはユダヤ系の英国人である。彼は、一七七三年、富裕な株式仲買人エイブラハム・リカアドウの第三子として生まれ、幼少にして実際的教育をうけた後、勉学のためアムステルダムに送られ二年の後帰英し、ロンドンで一年間学校教育をうけて、齢(よわい)わずかに十四才にして父を援(たす)けて実業界に入った。二十一才の時クエイカア教徒の女と結婚し、自らもクリスト教徒に改宗したために、父との間は不和になり、ために彼は父から独立

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    raycy 2019/12/16
  • 坂口安吾 安吾史譚 勝夢酔

    勝海舟の明治二十年、ちょうど鹿鳴館(ろくめいかん)時代の建白書の一節に次のようなのがある。 「国内にたくさんの鉄道をしくのは人民の便利だけでなくそれ自体が軍備でもある。多く人を徴兵する代りに、鉄道敷設(ふせつ)に費用をかけなさい」 卓見ですね。当時六十五のオジイサンの説である。当時だからこうだが、今日に於てなら、国防と云えば原子バクダン以外には手がなかろう。兵隊なんぞは無用の長物だ。尤(もっと)も、それよりも、戦争をしないこと、なくすることに目的をおくべきであろう。海舟という人は内外の学問や現実を考究して、それ以外に政治の目的はない、そして万民を安からしめるのが政治だということを骨身に徹して会得(えとく)し、身命を賭(と)して実行した人である。近代日に於ては最大の、そして頭ぬけた傑物だ。 明治維新に勝った方の官軍というものは、尊皇を呼号しても、尊皇自体は政治ではない。薩長という各自の殻も

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    raycy 2019/11/14
    “前記明治二十年の海舟の建白書に、 「日本の政治は薩長両藩に握られ、両藩が政権を争ってるようなものでヘンポである」 とあるが、つまり薩長も実質的には占領軍だった。薩長政府から独立しなければ、日本という独
  • 石川啄木 葬列

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    raycy 2019/07/23
  • 科学の不思議 (ファーブル ジャン・アンリ)

    この作品には、今日からみれば、不適切と受け取られる可能性のある表現がみられます。その旨をここに記載した上で、そのままの形で作品を公開します。(青空文庫

    科学の不思議 (ファーブル ジャン・アンリ)
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    raycy 2019/05/20
  • 寺田寅彦 笑い

    子供の時分から病弱であった私は、物心がついてから以来ほとんど医者にかかり通しにかかっていたような漠然(ばくぜん)とした記憶がある。幸いに命を取り止めて来た今日でもやはり断えず何かしら病気をもっていない時はないように思われる。簡単なラテン語の名前のつくような病気にはかかっていない時でも、なんとなしに自分のからだをやっかいな荷物に感じない日はまれである。ただ習慣のおかげでそれのはっきりした自覚を引きずり歩かないというだけである。それで自分は、ちょうど色盲の人に赤緑の色の観念が欠けているように、健康なからだに普通な安易な心持ちを思料する事ができないのではないかと思う事もある。もっとも健康な人は、そういういい心持ちが常態であってみれば、病後ででもない限りやはりそれを安易とも幸福とも自覚しないだろう。すると結局日常生活の仕事の上には、自分のようなものも健全な人も、からだの自覚から受ける影響はたいした

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    raycy 2018/09/28
    “惰性をもったものがその正常の位置から引き退けられて、離たれた時に、これをその正常の位置に引きもどさんとする力が働けば振動の起こるというのは物質界にはきわめて普通な現象である。そして多くの場合において
  • 火野葦平 糞尿譚

    どこかでは既に雨が降っているのか、白く光って見あげるようにむくむくともりあがった入道雲の方向で、かすかな遠雷(えんらい)のとどろきがして居る。斜面を下りながら、彦太郎は、麦藁帽子(むぎわらぼうし)の縁に手をかけて空を見あげ、一雨来るかも知れんと思い、灼(や)けるように陽炎(かげろう)をあげている周囲を見わたすと、心なしか、さっと、一陣の冷たい風が来て西瓜(すいか)畑の葉を鳴らした。赭土(あかつち)の中にころがった大小さまざまの西瓜は埃(ほこり)にまみれて禿(は)げたような青い色を晒(さら)している。下りながら、両手で輪をつくり、口にあてて、おうい、と叫ぶと、小さく下に見える池の中央に入って、真裸で両手を水中につっこんでいた男が、顔をあげた。彦太郎だと知ると、下の方で背を伸ばし、伸びをして腰を叩き、こちらに笑いかけたのが遠目にもわかった。土埃をたてて斜面を駈(か)け下ると、惰力(だりょく)で

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    raycy 2018/01/06
  • 宮本百合子 鴎外・芥川・菊池の歴史小説

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    raycy 2017/04/06
  • 坂口安吾 花咲ける石

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    raycy 2017/01/11
  • 寺田寅彦 小爆発二件

    昭和十年八月四日の朝、信州(しんしゅう)軽井沢(かるいざわ)千(せん)が滝(たき)グリーンホテルの三階の堂で朝って、それからあの見晴らしのいい露台に出てゆっくり休息するつもりで煙草(たばこ)に点火したとたんに、なんだかけたたましい爆音が聞こえた。「ドカン、ドカドカ、ドカーン」といったような不規則なリズムを刻んだ爆音がわずか二三秒間に完了して、そのあとに「ゴー」とちょうど雷鳴の反響のような余韻が二三秒ぐらい続き次第に減衰しながら南の山すそのほうに消えて行った。大砲の音やガス容器の爆発の音などとは全くちがった種類の音で、しいて似よった音をさがせば、「はっぱ」すなわちダイナマイトで岩山を破砕する音がそれである。「ドカーン」というかな文字で現わされるような爆音の中に、もっと鋭い、どぎつい、「ガー」とか「ギャー」とかいったような、たとえばシャヴェルで敷居の面を引っかくようなそういう感じの音が

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    raycy 2015/10/12
  • 海野十三 海野十三氏の辯 探偵作家お道樂帳・その五

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    raycy 2015/10/10