フィリピンでは、現職のベニグノ・アキノ大統領の任期満了に伴う大統領選の投票が9日に行われる。激戦が続いており、目下のところ、アキノ大統領の後継指名を受けたマヌエル・ロハス前内務自治大臣、有名俳優のフェルナンド・ポー・ジュニアの娘であるグレース・ポー上院議員(47)、元マカティ市長のジェジョマル・ビナイ副大統領(73)、そして、南部・ミンダナオのダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が競っている状況だが、ダークホースのドゥテルテ氏が頭一つリードし、ポー上院議員が追いかける展開になっている。今回の大統領選について、フィリピン政治に詳しい日下渉・名古屋大学大学院准教授に話を聞いた。 野嶋 今回の選挙のこれまでの展開をどう読み解きますでしょうか。 日下 今回の面白さは従来の階層による分析が効かないところです。フィリピンは一部のお金持ち、2〜3割の中間層、そして残りは貧困層だとされています。近年
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