本研究は, 恩恵享受的自己感との比較を通して, 自尊感情と心理的健康との関連を再考することを目的とした。恩恵享受的自己感とは自己の周りの環境や関係性に対する肯定的感情から付随的に経験されるであろう自己への肯定的感情である。心理的健康としては幸福感および主体性の側面をとりあげた。大学生306名を対象とした質問紙調査(研究1)において、幸福感・内的統制感は自尊感情・恩恵享受的自己感の両方と有意な関係にあることが示され、自尊感情と共に恩恵享受的自己感も心理的健康に関連する重要な概念であると考えられた。大学生173名を対象としたネット調査(研究2)の結果からもその見解は支持された。また、女性は男性よりも自尊感情の得点が低いが恩恵享受的自己感の得点は男性よりも高いこと(研究1)、相互協調性は自尊感情とは負の関係にあるが恩恵享受的自己感とは正の関係にあること(研究2)から、恩恵享受的自己感は、性役割や
本研究では, 自分自身に感じる本当らしさの感覚である本来感を実証的に取り上げ, 自尊感情と共に本来感がwell-beingに与える影響を検討した。自由記述調査から尺度項目が作成され, 大学生男女335名を対象とした因子分析により7項目からなる本来感尺度が構成され, その信頼性と一部の妥当性が確認された。そして, 重回帰モデルの共分散構造分析により, 本来感と自尊感情の両方が主観的幸福感と心理的well-beingというwell-beingの高次因子に対し, それぞれ同程度の促進的な影響を与えていることが示された。また, well-beingの下位因子に与える影響を検討したところ, 抑うつと人生における目的には本来感と自尊感情の両方が, 不安・人格的成長・積極的な他者関係に対しては本来感のみが, 人生に対する満足には自尊感情のみがそのwell-beingを促進させる方向で有意な影響を与えてい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く