★★★★☆(評者)池田信夫 2020年、日本が破綻する日 (日経プレミアシリーズ) 著者:小黒 一正 日本経済新聞出版社(2010-08-10) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 日本経済の最大のリスク要因は、巨額の財政赤字である。これは民主党の代表選でも争点になっているが、菅首相にも小沢一郎氏にも打開策があるようには見えない。それより深刻なのは、財政赤字による世代間格差の拡大について、どちらもほとんどふれないことだ。本書は、財政と世代間格差の問題を実証データで検証したものだ。 政府債務の返済がいつ行き詰まるかについて、著者は遅くとも2020年までに国内の家計貯蓄を食いつぶすと推定する。そうすると外債を発行するしかなく、長期金利が上昇することは避けられない。国内のバランスシートでは「家計貯蓄=政府債務+企業債務」なので「家計貯蓄が尽きたら企業が国債を買えばよい」などという話
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