経済政策部 上席主任研究員 片岡 剛士 日本銀行は9月20日・21日の金融政策決定会合において、7月28日・29日に表明していた金融緩和策(「量的・質的金融緩和」・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」)のもとでの経済・物価動向や政策効果についての総括的な検証を行い、その結果から新たに「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に採用・実行に踏み込んだ。 日本銀行の今回の決定については、賛否入り混じった評価がなされているようだ。この決定をどのように考えたら良いのだろうか。以下では内容を紹介・検討しつつ、新たな金融政策の枠組み採用がもたらす3つの可能性(帰結)について論じてみることにしたい。 ■「総括的な検証」のポイント ■量的・質的金融緩和には効果があったのか ■予想インフレ率はなぜ失速したのか、2%の物価安定目標はなぜ達成できないのか ■マイナス金利政策、長期国債買い入れの金利への影響 ■新た