本に関わるみんなが興奮する言葉として、1位が「重版出来」だと言っている出版社の人がいました。でも、少部数の学術書出版の場合は(少なくとも「一人出版社」である有志舎の場合は)違いますね。 重版することになると、「また経費が先に出ていく」「重版した分がきちんと売れるだろうか」「印刷・製本代の資金繰りは大丈夫か」という心配が先に立って少しも興奮しないのが日常。まあ、私が基本的に心配性で、常に最悪の事を想定して行動する人間だからということもありますが・・・。 なお、学術書の場合、初版からすぐの重版(6か月以内とか)で、注文に勢いがある状態なら利益になることもあるが、ある程度時間が経って、売れ行きが鈍ってきてからだと初版で稼いだ利益を重版で全部吐き出してしまい赤字になることも多い。 それでも、時には損を覚悟で重版を決断することもありますが、そればかりやっていたら会社は傾くので、そうそうはできません。
