韓国の大法院(最高裁判所)は、元徴用工の個人請求権を認める判決を下した。 原告は勝訴を噛みしめる面持ちだった これにより被告の新日鉄住金の再上告は退けられ、4人の原告にそれぞれ1億ウォン(約1千万円)の損害賠償金の支払いを命じたソウル高等裁判所の判決が確定した。 その日、裁判を終えた原告は記者が取り囲む場に粛々と現れた。 記者に囲まれる原告・李春植さん(筆者提供) 当日、大法院の法廷に続く入り口には、日韓のメディアがぐるりと輪になって、原告の登場を今か今かと待ち構えていた。勝訴すれば歓喜に沸いて現れるだろうと思っていたので、支援者らも勝訴をかみしめるような面持ちだったことに意表を突かれた。 原告4人のうち、インタビューに応えたのは、李春植さん(94歳)ひとりだ。他3人はすでに他界している。耳が遠いのだろう、記者が大きな声で所感を訊くと、李さんは、「私を含めてもともと4人いたのに私ひとり裁判