35年間未解決で、世界中の数学者を悩ませてきた数学の超難問「ABC予想」を、京都大数理解析研究所の望月新一教授(51)が証明した。 7年半に及ぶ検証を経て、証明論文の正しさが認められ、国際的な数学誌への掲載が決まった。京大が3日、発表した。数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞級の業績だ。 望月さんは、00年にABC予想の証明に本格的に着手。 ドイツの数学者タイヒミュラーが考案した空間論に、独自の考え方を導入した新理論「宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー理論(IUT理論)」を10年以上かけて1人で築き上げた。 ここでいう宇宙とは、月や太陽がある宇宙ではなく、足し算などの計算や定理などの証明をするための「舞台」のこと。 普段は、一つの宇宙(舞台)を使うが、IUT理論は複数の宇宙を使うことが最大の特徴で、その宇宙同士の関係(際)を調べるため宇宙際と呼ぶ。 数学の最も基本的な要素である足し算と