②の最後に少し触れたが、『童夢』の準拠枠のひとつは『幻魔大戦』(平井和正原作/石ノ森章太郎作画)である。関連する大友の発言を引く。『童夢』に直接つながる短編『Fire-Ball』執筆直後のものである。 「まず、ミュータント・サブなんかをみてて、なんでこう、さわんないものを動かせるのか。だからそのまんま、あれするんじゃつまんないし、たとえば、ああいうことやりだすと、『幻魔大戦』なんかの、テレパシーできる奴がいて、物うごかすやつがいて、移動するやつがいるっていう、そういうことしちゃうとあの『巨人の星』の巻絵物みたくなっちゃうから、もう、シンプルに、ただ熱くなる、だけという話を」(『ぱふ』1979.7, p.25) 「そうですね、ちょっと、近頃のオレの傾向としては、動かしたいなということを思ってますけどね」(同, p.27) 幻魔大戦 第1巻 (サンデー・コミックス) 話し言葉をそのまま字にして