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はじめに ここでは分散オブジェクト志向技術のひとつである CORBA の概要とアプリケーション作成の流れ、そして簡単なサンプル・プログラムの実行までを取り上げています。解説に用いている ORB 実装は VisiBroker for C++ です。本文中におかしな箇所などがあれば、忌憚のないご意見をお聞かせください。 CORBA の概要 CORBA (こるば)とは何か ひとことでいえば、分散システムのためのフレームワーク。 通常のプログラムにおいて、ある処理から別の関数が呼び出されるとき、その関数の実体は同じプログラム中に存在しなければならないが、その実体が他の環境のプログラムにあっても呼び出せるようにしたシステムのことを分散システムという。このとき、関数の呼び出す側をクライアント、呼び出される実体の提供する側をサーバといい、このような両者の間に立って動くソフトウェアのことをミドルウェアと呼
ニューアカデミズム華やかりし頃の対談集。しかし、登場する論者は吉本隆明、河合雅雄、浅田彰、柄谷行人、蓮實重彦、山口昌男という錚々たる面々である。当然ながら、中には私では意味不明な用語もたくさん登場し、巻末にはそのための用語集まで付いているという敷居の高い本となっている。しかし、それだけに内容はなかなか刺激的だ。 とはいえ、一読して個人的に最も示唆に富んでいたのは坂本龍一の言葉の数々だった。もとより私が本書を手に取った理由自体が、村上龍というよりは坂本龍一という名前だったので、当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、本書を何よりもおもしろくしている真の主役は彼なのではないかという感じがする。抄録を見ても分かるように、言葉の端々からそういう印象を受けるのだ。 抄録 12 坂本 時代という現場と自分と、それから自分が生む作品。この三つの関係の取り方で、小説家や画家は現場に行かなくてもいいわけ
書名から察しがつくのかもしれないが、デザインパターンを意識して考えられた「ソフトウェア開発においてネガティブな結果を招くパターン集」の本。実をいうと私はまだデザインパターン本体の方をちゃんと理解するには至っておらず(GoF 本もななめ読みレベルである)、そういう意味では読む順序を間違えているともいえる。しかし、GoF 本より後に登場しているだけあって、GoF 本を越えるための試みもいくつかある。例えば、これは私も感じた欠点のひとつだが「長い説明の後で実は結論があまりにもあっけなくて拍子抜けした」というものがある。「それならばもっと分かりやすい結論を先に書いてくれ」というところだが、本書の場合、訳者によるあまりこの手の技術書では見かけないような訳語と相まって、そのような点での読みにくさはかなり軽減されているように思う。(まあ、逆にこの訳語が嫌だという人もいそうな気はしますが。) 本書の著者は
SSS (英語学習法研究会) の主宰者による本。もともと、英語の学習はしたいが、だからといって今さら受験英語のようなことはやりたくないし時間もないと思っていたところ、たまたま本屋で見つけたので買ってきた本である。一読してみて、本書でいうところの「簡単なものから辞書などを使わずに行う多読」がどの程度信頼できるのかは自分でも試したわけではないので何ともいえないが、ただこれに近いかたちでしばらくやってみようとは思った。 その一番の理由は、私自身が本おたくであり確かに英語と思うと距離を置きがちだが、読書としてみれば普段からそれこそよくやっているわけであるから、それを簡単なものからやる分には確かにやれそうだと思ったこと。また、電車の中などで読めば、嫌でも辞書などは持ち込めないので、本書の趣旨にも自ずから合致すると考えたところによる。実は 『くまのプーさん』 を読んだのも、読書ノートにする順序が前後し
表題作と「心の平静について」「幸福な人生について」を収めた本。セネカといえば『エセー』を読んだとき、しばしば取り上げられていたことを思い出すが、解説を読んでも実際にストア派の中でも後世に影響を与えた人物としての紹介がされている。 生涯を簡単に追うと、コルドバで裕福なローマ市民として生まれ、ローマで修辞学と哲学を修めるものの健康上の理由でエジプトにしばらく隠棲する。30 歳のときローマに戻り元老院に入り弁論によって名声を博すが、カリギュラ帝からは憎まれコルシカ島へ流される。アグリッピナが后となることで 8 年後に彼がローマへ戻ると、彼女は息子のネロの教育に当たらせた。アグリッピナによりクラウディウス帝が死にネロが即位すると、セネカはブルルスとともにこれを補佐し、強い権力を得る。しかし、アグリッピナとブルルスが世を去り元老院からの攻撃が強まると孤立したセネカは隠棲を願い出て受理される。そして、
副題にもある通り「問題発見」を扱った本。世に何らかの問題解決を謳った本はそれこそいくらでもあるが、本書は「何が本当の問題なのか」という問題そのものの中味、もっといえば問題認識のあり方と問題へ取り組む際の姿勢に着目した本である。 これは即ち訳者が前口上として述べるように「学校では問題を解くことを教わる。だが問題は、解くより発見する方がずっとむずかしく、ずっと面白い。実人生で本当にものをいうのはそこなのだ」という通り、いくら自分が問題と思っているものでも、その本質を見誤っていれば解決策も的外れとなり効を成さないということである。ところが、世上はもちろん自分自身を顧みても「問題」であふれかえっているにもかかわらず、意外に本書の類書と呼べるものは少ない。これは一種の盲点でもあるのだろうが、そのような発想の転換、「問題」に対するその出発点の部分での重要性の喚起、という意味では貴重な本である。 例えば
C++ のちょっと毛色の変わった実用書。しかし、かなり内容は高度である。そのため一読しただけではちゃんと分からなかったところがあり、読書ノート化にも時間がかかってしまった。とはいえ、内容的には 『Effective C++』 と重複するところが多いので、相互に参照すべきだろう。なお、おかしなところがあれば、ぜひご指摘願います。 # 手抜きによりほとんどコードはなし :-) 抄録 5 データの抽象化(オブジェクト指向での抽象化は関数ではなくデータにある)を具体化する抽象データ型とはユーザ定義のデータ型のことを指し、公開部分になるインタフェイス部分と非公開部分になる実装部分から成る。 6-7 プログラミングのソリューションにおける抽象モデル(基本概念)と実装(実コード)。抽象モデルを十分に検討して文書化することが重要となる。(何の機能があり何の機能がないか。)というのも、抽象モデルは実装コード
カーニハンによる書名の通りプログラミング全般におけるポイントを集約した本。内容的には既に心得ているものが多かったので(実践の程度と聞かれるとまだまだですが :-))、確認しながら読み通すという感じだった。自分が新人の頃にこの本があれば「もう少し効率的に要点を把握できたのではないか」という内容で、むしろ後輩などへ薦めるのに適した本だと思う。 カーニハンには既に古典ともいえる『プログラム書法』と『ソフトウェア作法』(いずれも J.Plauger との共著で、邦訳は共立出版)という本があり、本書はその延長線上ともいえる内容になっているが、これらはいずれも刊年が 1980 年頃とかなり古いため、内容も構造化手法寄りであり、現在ならやはり昨今のトピックまでを考慮に入れる本書の方が広く薦められると思う。 実際、内容的には申し分なく、C を中心としているが必要な部分では C++、Java、Perl を用
なかなか魅力的なタイトル(?)の記事。元々は Interface 誌での連載を再構成したものだが、連載時には難しそうで読んでいなかったため、こういうかたちで読む機会を得ることのできたのは幸いだった。しかし、文学理論を始めとする専門知識を背景にした「仕様の理解」というのは貴重な反面、やはりとっつきにくさがあるように思う。(特に 2 部構成のうち、第 2 部である「オブジェクト指向手法と仕様書」は文学理論色が強いため割愛した。本来ならば、ここまで読むべきなのだろうが...) 抄録 第1章 それはレトリックの問題か ? システム開発は仕様書を受け取り成果物を納品することでサイクルを全うする。そこで第 6 章まででは仕様書におけるプログラム変換可能な論理性について考察する。第 1 章では文章のレトリック(rhetoric)によって生じる曖昧さ(解釈に対するグレーゾーン)の問題を考える。 仕様書は技
C++ の入門書というと一般にはどうしても C の延長線上という切り口を持つものが多い。もちろん、それは C++ にとっては最大の長所(C の資産を流用しやすい)であり、かつ最大の短所(中途半端なオブジェクト指向 ?)でもあるのだが、それだけに本書はそういった通俗的ではない切り口を持つだけでも注目できる本だと思う。実際、本書は既に新版が邦訳されており人気もあるようだ。 具体的にいうと、C++ の文法や機能としてどういうもののあるのかは分かったが、それを C++ として、もっといえばオブジェクト指向的な文脈として使うとはどういうことなのか――という点で疑問を持つ人に勧められる内容になっている。本書が謳う売り文句ではないが「なぜそういう機能があるのか」という視点に立った説明は無味乾燥な機能の羅列よりもはるかに理解しやすい。また、C の経験者を意識した同一プログラムを C から C++ へと書き
ActivePerl が 5.6 でサポートした Win32 系モジュールを用いた Perl スクリプトにおける Win32 API の使用、OLE 経由による Word/Excel へのアクセスについてを扱った記事。個人的に Excel ファイルへの Perl からのアクセスについては、以前 Spreadsheet::WriteExcel、Spreadsheet::ParseExcel を試みて失敗した経験があったため(参考文献にある IBM のドキュメントによると、これは IO::Scalar の利用できないのが原因とある)、それきりとなってしまっていたが、今回、Win32::OLE を利用することによりこれができたので取り上げる。 但し、私が Win32::OLE から Excel へアクセスするプログラムを書いてみたところ、Perl スクリプトからだと問題ないのに CGI からこれ
ユニマガでやっている Cygwin の連載記事をまとめたもの。(記事は現在も連載中なので、適時、内容は更新する予定。)もちろん、私自身にとって意味のある部分だけを抜き出しているので、内容的には偏りがあるが、類似の記事がないだけに、大変参考になっている。 抄録 1 Cygwin のインストール (2000.12/p.74-81) 仕様だけでなく、なぜそういう仕様になっているのかの説明まで。 インストールまで Cygwin は Beta 20.1 まで単体の exe ファイルひとつで配布されていたが、ダウンロード時のファイル破損などを避けるため、バージョン 1.1 よりパッケージごとの tar.gz で配布されるようになった。パッケージは特にバージョン管理されておらず、国内では主に Ring Server などで FTP 配布されている。latest ディレクトリに Cygwin 開発チームが
通称リャマ本。Perl のあまりにも有名な入門書である。Perl のオブジェクト指向的な側面など全ての機能を網羅しているわけではないが、とりあえず本書を読めば Perl プログラムを書くことができるようになる。というより本書を読んだら、後は分かっていなくても、求める機能に合わせて必要な箇所を読むというのが Perl 的な学習法というべきだろう。実際に本書はそういう使い方ができるようになっているし、他の参考文献に示したような本と比べてみても、やはりこの本が最もよくまとまっているように思う。 追記 コードの明示などで少し修正しました。(2002.4.24) メモ 1 Perl 入門 Perl : Practical Extraction and Report Language (実用的なデータ取得レポート作成言語) Pathologically Eclectic Rubbish Lister
全文検索システムは大きく分けてインデックスを作成するインデクサとインデックスから実際の検索を行うサーチエンジンより成る。インデックスは書籍でいうところの索引に当たる。これをあらかじめ作成しておくことで、実際の検索速度の向上(索引から探せばよい)が実現される。 その際に、インデックスは単語単位に分割されるが、これを日本語の分かち書き(形態素解析)という。Namazu はデフォルトで KAKASI を使うが、ChaSen も利用できる。 24-30 基本的な検索手法。これらは ( ) を使ってグループ化することができる。 AND 検索 Word1 と Word2 の双方を含むもの OR 検索 Word1 か Word2 のいずれかを含むもの NOT 検索 Word1 から Word2 を含まないもの 他に以下のようなものがある。 部分一致検索 「coca*」で coca を含むもの 正規表現検
C++/CLI は VC2003 でのマネージ拡張を更に推し進めたものである。そのため .net Framework プログラミングにおける C++ 言語拡張といってしまえばそれまでとなるが、C++/CLI では C# と並び標準化をも意識している──正しくはマネージ拡張の標準化作業版が C++/CLI なのだということである。C++ の拡張性を維持したまま Java などの便利な点を取り込んだといってしまっては乱暴か。しかし、GC、interface、Generic (= template)、finally キーワードなどは Java と同様である。これ以外では列挙型クラス/構造体、イベントハンドラ/オーバーライド専用を含む新しいキーワード(予約語)などが含まれている。 かくいう私もマネージ拡張や C# は MS だけのプロプライエタリな技術としか思っていなかった。しかし、C++/CLI
文字通り C の上級書で、オブジェクトファイルやスタックの構造といった低レベルな話題にまで言及した本。実はもっと以前より購入済でパラパラと読んではいたのだが、じっくり読み通す時間がなく、すっかり後回しにしてしまっていた一冊である。それだけに「読みたくて読めないときがある以上、読めるときに読んでおく」ということの重要性を痛感しながら読んだ本でもあった。なぜなら、そうでないと「読まねばならないのに読んでない」本ばかり増えるという自明の結果を招くだけだからである。 内容に関しては割と定評のある本であるし、仮に問題があったとしても「自分から見当ぐらいはつく」という人がそもそもの想定する読者となる本なので、いずれにしても問題とはならない。あえていえば 11 章の C++ 入門はあくまでも概要レベルなので期待し過ぎてはいけないという程度である。それよりも類書の扱わないような話題にまで踏み込む一方で、様
書名の通り Linux のシステムコールに関する入門書。初版本のせいか誤植も目立ったが、内容的には何よりもサンプルプログラムに適切なものが収められていて大変よかった。入門書でサンプルが長すぎると根気がいるし、後から参照しても目的のロジックを見つけるのに時間がかかってしまう。その点、この本は巻末の関数一覧や全体の構成の中で位置付けられた説明順序などを含め、非常にしっかりした作りとなっている。私は以前、システムコール関連の本では外れを引いているせいもあって、特にありがたかった。類書を探している方にはおすすめの一冊といえるし、これならば著者の別の本も読んでみたいと思わせるだけの内容になっている。 # 慣れというか手抜きによりコメントは /* */ ではなく // になっています :-) 抄録 第1章 システムコール システムコール : OS がユーザに提供するサービスルーチンの集まり #incl
C++ の基本書のひとつ。必ずしも初めて知ったことばかりでもなかったが、非常に系統的に重点が網羅されている点では重宝する内容になっている。全体的に訳出が固めな気もするが、まあこんなものかもしれない。特筆すべきは、トピックのひとつひとつが極めて理詰めで説明されているため納得しやすく、(一部は除くが)長さもあまり長くない点である。本書の帯にある「すべての C++ プログラマ必読 !」という謳い文句は事実であり、本書の読む時間を惜しんで C++ を書いても、却って意味不明なバグに見舞われて時間を食うのがオチである。最低限、本書の扱う C++ という言語を効果的に使い落し穴にはまらないためのポイントは理解した方がいいだろう。文字通り、実戦書であり、C++ 使いを自ら任ずるならば必読書である。 とはいえ、この本は読書ノート化に非常に時間のかかった本でもある。インターネット的にいえば不完全な状態でもど
なかなか手際よくプログラミングにおける要点や姿勢というべきものを広範に整理した好著。ちょうど自分なりのプログラミングに対する指針というか、次に何に着目して取り組むべきか――を得たかったところだったので、なかなかタイミングのよい本だった。個々の項目だけならば既に知っているものばかりなのだろうが、何よりも細かい説明が延々と続くわけではなく、要諦を押さえた密度の濃い点がよいと思う。個人的には、後は変数命名の指針などがあるとありがたかったが、そのくらいは自分で調べるべきなのだろう。 抄録 vii/ix/xii これまでプログラムの本の多くは言語設計者などによって書かれることが多く、プログラミング言語を使った作業全体までを視野に入れたものは少なかった。本書では、それを打破するための、パターン(解決策)のシステム(系)に則るプラグマティックな方法論を提示する。即ち、幅広いバックグラウンド(理論)と経験
書名通りの内容であるが、本書は文法の詳細に対する解説部分よりも前半の C++ をプロジェクトで使うとはどういうことか――という部分で特に得るところが多い。というのも、C++ は確かにメジャーな言語であるが、それもプロジェクト全体から見れば選択肢のひとつに過ぎないのであり、そのくらい冷めた視点をまず持たないと、肥大化した C++ の機能面に眼を奪われるという最大の落とし穴に陥ってしまうからである。 これは特に C++ によって OOPL を学んだ私のような人間で特にあてはまることなのだが、それだけに、もし読者が OOPL として C++ しか経験がないのであれば、中盤以降よりも序盤部分こそがおすすめである。逆にいうと、中盤部分は 『Effective C++』 などとの重複が多いので、これらとの併読を勧める。この場合の本書は『Effective C++』よりも項目の分類が細かいので、より接し
Effective シリーズの Perl 版。通常 Perl の本といえばラクダ本やリャマ本の版元であり Perl の作者たる Larry Wall も勤めるオライリーといいたいところだが、この本は別である。書名からも分かるように Scott Meyers の 『Effective C++』 と同様の体裁となっており、多岐にわたる機能を持った Perl の勘所を要領よく解説している。そのため、どちらかというと話題の幅広さに重きを置いた形式になっている。まあ、今なら類書が当のオライリーからも『Perl クックブック』として翻訳されているし、これで飽き足らないならば黒ヒョウ本(『実用 Perl プログラミング』)がある。 大抵、言語の文法だけでは実用レベルのプログラムは記述できない。そこで登場するのが、言語特有の落とし穴を解説し、ポイントに絞って解説する、この手の本となる。(それゆえ、ある程度
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