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円安とは
news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki
北朝鮮の主要都市の中心部の広場には、故金日成主席と故金正日総書記の銅像が建てられている。非常に神聖なものとして扱われ、周囲を含めて頻繁に掃除が行われ、常に清潔が保たれている。 子どもから大人まで、交代で銅像の清掃に当たっているが、その途中でとんでもない事件が起きた。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件が起きたのは、両江道の恵山(ヘサン)市内の中心部、国境を流れる鴨緑江のそばにある広場に2015年に建てられた銅像付近だ。 銅像は、登校前の午前5時から7時までの間、小学校の児童、中学・高校の生徒、大学生が交代で清掃を行っている。サボりがちであれば、生活総和(総括)の時間に批判の対象となる一方で、熱心に清掃に取り組めば模範として表彰されるため、誰もが1カ月に半分は銅像の清掃に出かけるという。 金日成氏の生誕記念日である太陽節を迎える4月には、市内のすべての学校で「忠誠心
同じ朝鮮語であっても、韓国で使われている言葉づかいの使用を厳しく禁止する北朝鮮の「平壌文化語保護法」が、最高人民会議(国会に相当)第14期第8回会議で採択されてから3カ月。 北朝鮮では新法が制定された直後、法律の内容を知らしめるために取り締まりを強化して、違反者を血祭りにあげて、恐怖を煽るというやり方がしばしば使われる。 今回取り締まりの対象となったのは、若者の「しりとりゲーム」だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 (参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面) 両江道(リャンガンド)の情報筋によると、今月3日の午後、恵山(ヘサン)駅前広場で「公開暴露の集い」――つまりは「吊し上げ大会」が開かれた。その場に引き立てられてきたのは、20人の若いスポーツ選手たちだ。 道内の三池淵(サムジヨン)市では2月の1カ月間、道内の高級中学校に通う前途有望な
北朝鮮の国会に相当する最高人民会議の第14期第8回会議で採択された「平壌文化語保護法」。韓流ドラマ、映画の影響を受けた若者の間で広まっている、韓国風の言葉遣いを取り締まるものだ。この法律では、韓国風の言葉遣いを次のように規定して、唾棄すべきものとしている。 「語彙、文法、アクセントなどが西洋化、日本化、漢字化し、朝鮮語の根本を完全に喪失したごった煮言葉で、この世に存在しないような汚らしく吐き気のするゴミのような言葉」 この法律の制定に伴い、韓国風の言葉遣いに慣れきっていた若者たちが、必死で文化語(平壌の言葉をベースにした北朝鮮の標準語)を習うという珍光景が繰り広げられているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、地元当局が平壌文化語保護法に基づき、平壌の言葉を生かしていこうと強調していると伝えた。ちなみに、平安北道と平壌は、同じ
中国に派遣された北朝鮮労働者の数は、昨年11月に行われたPCR検査の結果から遼寧省丹東だけで8万人、他の地域を含めると10万人に達すると見られている。 その8〜9割は女性だが、彼女らを管理する立場の人間は男性だ。そんな上下関係を利用した性暴力が横行している。中国のデイリーNK情報筋が伝えた。 遼寧省のある工場で働いていた20代半ばの女性が、食事が取れなくなり仕事にも支障をきたすほど体調が悪化した。心配した同僚は、外部の医療機関で診察を受けさせたところ、妊娠していたことがわかり、中絶手術を受けた。 工場を担当する保衛指導員が調査を行った結果、労働者を管理する某男性幹部により数回にわたって性暴力を受けていたことが判明した。加害男性が被害女性に補償金を支払うことで事件はもみ消されたが、「性暴力被害は女性の落ち度」とする北朝鮮の風潮を考えると、被害事実は女性に一生ついてまわるだろう。 (参考記事:
北朝鮮の金正恩総書記の娘、キム・ジュエさん。国営メディアでは「尊敬するお嬢さま」とだけ伝えられ、実名は明かされていないものの、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の複数の情報筋は、「ジュエ」という名前を持った女性に対して改名せよとの命令が下されたと伝えている。この情報が正しいとすれば、本名が「キム・ジュエ」である可能性は高いと言えよう。 彼女は先日開かれた朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の創建記念日を祝う宴会や閲兵式(軍事パレード)に姿を表しているが、彼女を見る国民の視線は冷ややかなものだった。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 多くの市民は、「お嬢さま」の登場に大きな関心を持ちつつも、一方で複雑な心境だという。というのも、10代の少女が、最高級の軍幹部たちよりも前面に立っていたからだ。 「普通の子どもなら閲兵式を見に行くことはもちろん、一生に一度でも軍の高位幹部に
1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」以降で最悪の食糧難に見舞われていると伝えられる北朝鮮。農業改善を重要政策として掲げる金正恩総書記の叫びも、むなしいこだまとなって消えていくだけだ。 ただ、外部からその詳細な状況を把握する術はなく、国内から伝わる断片的な情報から、食糧難が全国的な規模で起きていると推測するしかない。 今回取り上げるのは、中国との国境に接し、国内最大の貿易都市の新義州(シニジュ)の状況だ。北朝鮮では首都・平壌には及ばずとも、豊かな方に属する地域なのだが、2年以上続いた国境封鎖で飢えに苦しむ人が増えていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。 新義州や道内の各地では、一家全員が飢えに苦しむ家が増加し、ある人民班(町内会)では、3軒に1軒は食糧の調達が困難となっている。 市内の石下洞(ソッカドン)の人民班では、5つの家族全員が意識を失った状態で発見された。いずれも女性が
北朝鮮では故金日成主席が示した方針に従い、1960年代から大々的な鉄道電化事業が繰り広げられ、全体の8割が電化された。世界最大級と言われた水豊ダムを擁し、石炭などの燃料も豊富だったので、鉄道を電化することは経済発展を目指す上で合理的と考えられたのだ。 ところが、1990年代以降の発電設備の老朽化、そして深刻な経済難により、極度の電力不足に陥る。そして高い電化率がアダになり、鉄道はマヒ状態に陥ってしまった。例えば首都・平壌から北部の恵山(ヘサン)までは、時刻表通りなら23時間ほどで到着するのに、実際には10日もかかった事例などが伝えられている。 現在は状況がかなり改善したと伝えられているものの、列車が停電で立ち往生することはしばしば起きている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、先月末に平壌から穏城(オンソン)に向かっていた列車が、停電で咸鏡南道(ハムギョンナムド
昨年4月に完成した、北朝鮮の首都・平壌郊外のタワマン団地、松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区。ご自慢の国内最高300メートルの80階建てタワマンをはじめとして、160棟もの中高層マンションや公共施設が立ち並び、北朝鮮で今一番ホットなエリアだ。 ところが、わずか9カ月という「速度戦」(速いことはいいことだ)で建てられただけあって、様々な問題が浮上している。 速度戦で建設されたマンションは質が度外視され、手抜き工事となることが多い。平壌では2014年5月、23階建ての新築マンションが崩壊し、約500人が死亡する大惨事が起き、警察幹部が遺族に謝罪する異例の事態が起きている。 (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故) 今回、問題となっているのは断水だ。デイリーNK内部情報筋によると、和盛(ファソン)地区1万世帯住宅建設現場中央指揮部に今月2日、「
北朝鮮国防省が、戦略的に重要とされる地域に架けられた橋梁の全面的な点検に乗り出しているという。有事に際し、弾道ミサイルなどの移動に支障が出かねないとの危機感からだ。 デイリーNKの北朝鮮内部情報筋によれば、「国防省は全国の主要な戦略地域にある老朽化した橋や、耐荷重の基準を満たしていない橋に対する安全点検を今月いっぱい実施し、2月中旬からは大々的な補修作業と再建築に入る予定」だという。 北朝鮮の交通インフラは劣悪だ。首都・平壌市内と高速道路の一部区間を除けば、道路は穴ぼこだらけであり、地方では未舗装が当たり前である。 また、政治的な成果を誇るため、安全性を無視して完工までの速さのみを優先する「速度戦」という悪弊に加え、資材の横流しなどによる手抜き工事が横行。工事中の橋が突如崩壊し、数百人の犠牲者を出したこともあった。 (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンショ
北朝鮮の金正恩総書記は、昨年末に開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第6回総会拡大会議で、「多変的な情勢波動に備えて2023年度に強力に推し進めるべき自衛的国防力強化の新しい中核目標」を提示し、軍事力をさらに強化する方針を示した。 これに対する北朝鮮国民の反応は、一言で言って「ウンザリ」というものだ。平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 国営メディアは元日、従来の金正恩氏の新年の辞に代わり、拡大会議の報告を大きく報じたが、それを見た国民らは「今年もダメだ。すでに終わった」と失望し、深い溜め息をついているという。国防力強化は、国民にさらなる耐乏生活を強いることに他ならないからだ。 (参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為) 国民の最大の関心事は、核兵器やミサイルの開発やド派手なタワマン建設ではなく、食べ物をいかにして手に入れ生き抜くかということだ
韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は5日、国会情報委員会で北朝鮮情勢に関する報告を行い、北朝鮮軍序列1位の朴正天(パク・チョンチョン)党軍事委員会副委員長兼党書記が昨年末に解任されたことについて、訓練中の準備不足と指導力不足が解任の原因との見方を示したという。 報告は非公開で行われ、情報委員の野党議員がメディアにその内容を明らかにした。この議員はさらに、「金正恩は軍の指導部の総入れ替えし、最終的に軍の支配力強化を目指している」とも述べたという。ただ、この見解が国情院のものなのか、あるいはこの議員の個人的な理解が混じったものなのかは判然としない。 いずれにせよ、今回の説明は、あまり意味あるものだとは言えない。北朝鮮軍の「準備不足」はほとんど慢性化しており、新しい問題ではない。それにもかかわらず、金正恩総書記は恐怖政治で軍を掌握していると見るべきで、軍指導部の総入れ替えが急がれる状況でもない
北朝鮮の人々は、政府のコロナ鎖国により深刻化した食糧難に苦しめられている。絶糧世帯(食べ物が底をついた世帯)に陥り、餓死する人もいれば、生き残るために他人のものに手を付ける人もいる。 そんな状況が、また一人の命を奪ってしまった。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件が起きたのは、豊渓里(プンゲリ)核実験場で知られる道内の吉州(キルチュ)郡だ。今月15日の夕刻、60代のパクさんが倒れているのを、市場の帰りに通りかかった息子夫婦が発見した。しかし、彼は息絶えた後だった。 顔と体にはあざがあり、服には足跡がついていたことから、強盗に遭って殺されたものと思われる。息子夫婦からの通報を受けた安全部(警察署)は聞き込み捜査から始めたが、目撃証言も証拠も確保できず、捜査は難航している。 かつてなら、パクさんの年齢になれば年金と配給を受け取り、老後の心配なく余生を送ることがで
ハタハタと言えば、日本では高級魚として知られている。特に近年は不漁が続き、価格が高騰している。一方、海の向こうの北朝鮮では安物扱いされている。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋の話として、檜倉(フェチャン)郡の市場で、ハタハタ1キロが1500北朝鮮ウォン(約25.5円)から2000北朝鮮ウォン(約34円)で売られていると報じた。これは、かつて大衆魚だったが最近は資源枯渇が著しいスケソウダラの10分の1以下の価格だ。 そんなハタハタが、きつい労働を行っている鉱山労働者に労保物資(労働保護物資、危険手当)として配られた。当然のことながら、評判は芳しくない。 咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋は、国内最大の亜鉛の産地である、端川(タンチョン)市の検徳(コムドク)鉱山の労働者にハタハタが国定価格(国の定めた超低価格)で配給されたと伝えた。 北朝鮮
2017年に公開された韓国映画『コンフィデンシャル/共助』。北朝鮮の捜査員が韓国に派遣され、現地の刑事とともに犯罪グループを追うスパイアクションだが、『愛の不時着』のヒョンビンや少女時代のユナらスターが出演したとあって広範な人気を呼び、観客動員数718万人の大ヒット作となった。 そんな映画を見た北朝鮮の大学生2人が先月末、公開裁判にかけられた。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 公開裁判が行われたのは南浦(ナムポ)市運動場。動員された500人もの若者が見守る中、引き立てられてきたのは、南浦教員大学の女子学生2人。観客席の最前列には、同学の学生が一列で立たされた。 2人は、南朝鮮(韓国)映画や、プロの歌手がバトルを繰り広げる音楽番組などを視聴するばかりか、流布させた容疑で5月末に逮捕され、6カ月間の予審(起訴前の証拠固めの段階)を経て、裁判にかけられた。 長期にわ
北朝鮮の平壌市安全局(警視庁)が最近、大規模な組織売春グループを摘発した事件についてはすでに本欄で述べた。40代男性のA氏をトップとするグループは、平壌郊外の平城(ピョンソン)、全国第2の都市である咸興(ハムン)、中朝国境の新義州(シニジュ)、リゾート地でもある元山(ウォンサン)、そして工業都市の沙里院(サリウォン)に拠点を置き、デリヘル業を営んでいた。 客は朝鮮労働党や安全局、保衛局(秘密警察)、検察所など主要機関の高位幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)で、女性を客の自宅などに派遣し、数日単位で売春を行わせていた。 女性は20代から、幼くは高級中学校(高校)を出たばかりの17〜18歳もいたという。 北朝鮮では2年前にも、大規模な組織売春グループ「女子大生クラブ」が摘発されている。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、市内の東大院(トンデウォン)区域にある総合レジャー施設・
最近の日本ではあまり聞かなくなった「当たり屋」。保険金などを目当てに、故意に車にぶつかる行為を指すが、ドライブレコーダーや監視カメラが普及したことで、なりたたなくなったのだろう。 ドライブレコーダーはおろか、車の普及すら進んでいない北朝鮮でも、当たり屋は存在する。その実態を、咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件が起きたのは先月中旬のこと。咸興(ハムン)市の沙浦(サポ)区域で、チェという女性が貨物トラックに飛び込んだ。幸い、命に別状はなかったが、トラックにぶつかった衝撃で倒れて、脳震盪を起こし、足に傷を負った。 彼女は、トラックのドライバーに対して、補償金の名目で2万元(約38万8000円)を要求。ドライバーは、自分には何の責任もないと要求をはねつけた。 咸興市安全部(警察署)が詳しい調査を行ったか否かは定かでないが、どういうわけか女性の肩を持ち、「事実関係が
北朝鮮の金正恩総書記の「特閣」(別荘)で壮絶な虐待を受けていた護衛兵が今年9月、脱走して中国に逃げ込んだ事件については、すでに本欄で伝えた。 その後日談が明らかになった。 三池淵(サムジヨン)特閣から逃亡した19歳の兵士・リョム氏は5日後に逮捕され、取り調べを受けた上で先月7日、平壌の保衛局保衛旅団の兵士や本部課長級以上の軍官(将校)が見守る中、公開処刑されたという。 金正恩氏の警護にあたる超エリート部隊の兵士たちは、思想や成分(身分)に問題がないことが求められるのはもちろん、一時帰宅はおろか家族への連絡すら許されていない。虐待の被害者といえども、規則を破った罪は許されなかったのだ。 朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の通常の入隊年齢は16〜17歳。ところがリョム氏は学校を出て職場に務め、19歳になってから入隊した。 保衛局で勤務経験を持つ彼の父は、息子の上官に当たる三池淵特閣護衛大隊の大隊長に「息子
秋の収穫が本格化した北朝鮮。国営メディアは、各地の収穫の状況を伝えると同時に、強風、大雨、雹による収穫物への被害が発生しているとして、収穫を急ぐよう呼びかけている。 自然災害同様に、収穫物に被害を与えるものがある。窃盗や横流しだ。 デイリーNKは最近、朝鮮労働党両江道(リャンガンド)委員会が今年7月初め、下部機関に配布した政治事業資料「わが党の崇高な愛が宿る糧穀取り扱い事業をより責任を持って行おう」を入手した。その内容は、食糧の窃盗や横流しは戦時法で裁くと警告するもので、今後、こうした行為に対しては公開処刑などの極刑が下される可能性がある。 北朝鮮では1990年代の大飢饉「苦難の行軍」期に治安が悪化。当局は犯罪者の公開処刑を繰り返し、恐怖をもって社会を統制した経緯がある。当時、公開処刑を目撃したある脱北者は韓国メディアに対し、当時感じた「人間が犬のように死ぬ」との思いを語っている。 今後、
10日の朝鮮労働党創立75周年を記念した閲兵式で演説し、経済的な苦難を強いられている国民に感謝と謝罪の言葉を繰り返した金正恩党委員長が、またもや反省の弁を述べた。 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は14日、金正恩氏が台風で被害を受けた咸鏡南道(ハムギョンナムド)検徳(コムドク)地区の災害復旧現場を現地指導したと伝えた。日時は明かされていないが、現地指導は前日に行われたものと思われる。 電力難を訴えて処刑その際に金正恩氏は、地方の住民たちの生活実態を把握できていなかったことを認め、「深刻に自責すべき」と述べたという。以下は朝鮮中央通信の公式日本語訳の抜粋だ。 金正恩委員長は、住宅建設場に行く峠道で山坂に平屋の住宅がでこぼこに狭く位置している光景を見て深く心配した。 金正恩委員長は、半世紀もはるか前に建設した住宅がまだそのままある、われわれが災害で倒壊した家だけを新たに建設してやる考えだけをしたが、あ
北朝鮮は今月10日の朝鮮労働党創建75周年に際し、大赦(恩赦)を実施した。 金正恩党委員長は政権の座に就いて以降、2012年4月15日の金日成氏生誕100周年、2015年10月10日の朝鮮労働党創建70周年などに合わせて大規模な赦免を行ってきた。たとえば2018年には、9月9日の建国70周年を控えて8月1日から赦免を実施し、管理所(政治犯収容所)を除くすべての教化所(刑務所)に収監されている受刑者に対して一律3年の減刑を行われ、多くの人が釈放された。 これは、最高指導者の「慈愛」を強調する「贈り物政治」の亜種とも言える。つまり、全人民は高い徳を持った最高指導者の思し召しで幸せに暮らすことができるという「人徳政治」(徳治主義)だ。 それは金正恩氏が10日の閲兵式で行った演説で、慢性的な経済難に耐えることを強いられている国民に繰り返し感謝と謝罪の意を述べたことにも表れている。そして、金正恩氏が
北朝鮮の北部国境地帯で、新型コロナウイルス対策の落ち度を指摘された複数の軍人らが、公開処刑により「大虐殺された」と韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏が自身のブログとユーチューブ・チャンネルで伝えている。 チュ氏によれば、事件は8月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)郡で起きた。国境の川を渡って中国へ脱北した地域住民が、再び故郷に戻り逮捕された。金正恩党委員長は、新型コロナの流入を防ぐために国境を徹底的に封鎖するよう厳命しているが、それが出来ていないことが発覚してしまったのだ。 報告を受けた金正恩氏は激怒。防疫ルールを遵守しない現象については、容赦なく銃殺、無期懲役で処罰しろと命じたという。 その結果、件の脱北者が越境した地点を受け持っていた国境警備隊の中隊長、政治指導員、責任保衛指導員、軍保衛部封鎖部長、軍機動巡察隊長、そして脱北者本人が所属する職場の党委員長と支配人が処刑さ
今では「革命の首都」と呼ばれる北朝鮮の首都・平壌。かつては「東洋のエルサレム」と言われていた。朝鮮半島におけるキリスト教の中心地で、クリスチャンも多かったからだが、朝鮮戦争前後にその多くが現在の韓国に移住した。 そのような歴史的経緯もあり、韓国のキリスト教(プロテスタント)の中には、北朝鮮における布教を重要視する人々がいる。そして、その活動の実態が明るみに出た事例もある。 例を挙げると、中国・丹東でレストランを営んでいた韓国人のキム・ジョンウクさんは、2013年10月に北朝鮮に違法に入国した容疑で逮捕され、翌年5月の裁判で無期労働教化刑(無期懲役)が言い渡された。国営の朝鮮中央通信は次のように報じている。 裁判では朝鮮民主主義人民共和国刑法第60条(国家転覆陰謀罪)、第64条(スパイ罪)、第62条(反国家宣伝扇動罪)、第221条(非法国境出入罪)に該当する被訴者(被告)キム・ジョンウクの事
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北朝鮮が、警察庁に相当する人民保安省の名称を「社会安全省」に変更したことが3日、同国メディアの報道を通じて確認された。 北朝鮮メディアが人民保安省の名称に言及したのは5月24日、朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議の開催を伝える報道が最後だから、同会議の結果、組織名が変更されたとみられる。 同省は、1951年に内務省から独立して発足。当時の名称も社会安全省だった。その後、「社会安全部」「人民保安省」「人民保安部」などと改称を繰り返してきた。2016年、国防委員会の廃止に伴って金正恩氏が委員長を務める国務委員会の直属となった。 一方、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は2日、平壌在住の消息筋の話として、名称変更とともに「社会安全省の組織改編が進行中で、部署によって組織や人員が拡大したり、縮小したりする見込みだ」と伝えた。名称変更の理由や組織改編の内容は詳らかでないが、背景にはどうやら、金
1990年代後半の北朝鮮を襲った大飢饉「苦難の行軍」。国の食糧配給システムが機能しなくなったことで餓死者が大量発生した。その数は数十万人とも言われる。その後、なし崩し的な市場経済化の進展などで食糧供給は安定し、そうそう餓死者が出るような状況ではなくなった。 しかし、例外もある。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)だ。以前から食糧配給に問題があり、栄養失調にかかる兵士が続出している。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、最近になって状況がさらに悪化していると伝えた。 今月中旬、三水(サムス)郡に駐屯する朝鮮人民軍42旅団で、兵士5人が死亡した。死因は栄養失調だ。5人は数ヶ月前から体に浮腫が生じていたが、まともな治療を受けられず、与えられる食事はトウモロコシ飯に塩漬けの大根ばかり。何度か下痢をした後で、2日間寝込んだ末に死んでしまった。このような飢餓に陥っているのは亡くなった5人だけではなく、部
北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市で3月、新型コロナウイルスに感染した疑いがあることから自宅隔離となっていた一家4人が、地獄のような隔離生活に耐え切れず、脱走する事件が発生した。 デイリーNKジャパンのカン・ナレ記者の取材によれば、脱走したのは、新義州市の楽園洞(ラグォンドン)に住む夫婦に長女(19歳)と長男(16歳)の朴さん一家4人だ。3月初め、長男が発熱したことから母親とともに病院を訪れ、診察を受けた。医師は長男の体温を測ると、解熱剤を処方した後、労働者糾察隊をの若者たちを呼んだ。 「現在、北朝鮮の病院には青年同盟傘下の労働者糾察隊が常駐しています。彼らは新型コロナウイルスに感染した疑いのある患者が出ると、他人と接触できないよう統制しながら、患者を家まで送り届けるのです」(カン記者) 隊員らは長男と母親を家まで送り届けると、一家全員が隔離対象であることを告げ、玄関
北朝鮮が、新型コロナウイルスの国内への感染拡大を防止するために国境を封鎖してから2ヶ月が経った。 当局は未だに「わが国では感染者は発生していない」との立場を崩していないが、北朝鮮国内からは断片的ながらも感染情報が漏れ伝わる。 デイリーNKは、中国と国境を接する両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)の内部情報筋から、今の北朝鮮国内の様子を示す複数枚の写真を入手した。 国境封鎖で活気を失った市場恵山の市場の昨年7月(上)と今年2月(下)の様子(画像提供:東亜大学・姜東完教授=デイリーNK)全国有数の貿易と商業の町である恵山には、普段なら全国からヒトとモノが押し寄せているが、国境の向こうの中国側からのぞき見た恵山の市場は活気を失った様子だった。国境封鎖で中国との合法非合法の貿易が途絶え、国内移動も制限されているためだろう。 韓国・東亜大学の姜東完(カン・ドンワン)教授が撮影した昨年7月と今年2月
北朝鮮は新型コロナウイルス感染症の拡散を遮断するため、教化所(刑務所)受刑者の家族との面会を禁止したのに続き、2月29日からは家族からの差し入れの搬入もすべて禁止とした。この措置を受け、「受刑者の大量死もあり得る」とする懸念が、教化所幹部らの間で高まっている。 現在の北朝鮮において、最も食べ物に困っているのは軍の末端兵士と教化所の受刑者たちだ。彼らは家族からの差し入れが無ければ飢えるしかない。それでも兵士はドロボーに化けることもできるが、受刑者たちはそれさえ出来ない。 (参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為) 中国・丹東を拠点に取材するデイリーNKジャパンのカン・ナレ記者によると、3月上旬、家族から預かった差し入れをこっそり受刑者に渡していた教化所幹部が厳しい処罰を受ける出来事があった。舞台となったのは、咸興(ハムン)市にある第9教化所だ。同教化所には男性3000人、
刑法183条(退廃的な文化搬入、流布罪) 退廃的、色情的で醜い内容を反映した図画、写真、図書、歌、映画などを許可なく外国から持ち込んだり制作したり流布したり違法に保管している者は1年以下の労働鍛錬刑に処す。複数回または大量に搬入、制作、流布、保管した場合には5年以下の労働教化刑に処す。罪状の重い場合には5年以上10年以下の労働教化刑に処す。 厳しい取り締まりにもかかわらず、AVが摘発される事例は後を絶たない。 少し前に槍玉にあげられたのは北朝鮮の最高学府、金日成総合大学の学生たちだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、平壌の幹部の話として、昨年11月末に、平壌市の東大院(トンデウォン)映画館で成人録画物(AV)を制作、流布した金日成総合大学の学生4人と卒業生9人に対する公開裁判が、被告の親や平壌市内の学生など多数が参加させられた上で行われたと報じた。 被告らは金日成総合大学コンピ
北朝鮮の金正恩党委員長は、国際社会の厳しい制裁を受ける中、国内で2つのメガプロジェクトを進めている。 ひとつは、「革命の聖地」である両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)郡の建設工事だ。制裁による外貨不足で資材調達に困難を来していると伝えられるが、金正恩氏は、当初設定した工期の通り今年10月の朝鮮労働党創建75周年までの完成を命じている。 もうひとつは、「元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海岸観光地区」の開発だ。昨年4月に行った建設現場の視察で金正恩氏は、「工事期間を6カ月間延長して来年の太陽節(金日成主席の誕生日)まで完璧に完成しよう」と延べ、工期延長を認めた。 大惨事の予感北朝鮮の建設事業では、工期の前倒しが政府上層部などから指示されることはあっても、延長が公式に認められるのはごく珍しいことだ。しかも、それが最高指導者の口から発表されるのは異例中の異例である。 しかしそれだけに、改め
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