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ロシア当局が初めて、国内の領土でウクライナ側と衝突があったと認めた。3月2日のことである。 2022年2月の戦争開始どころか、2014年のクリミア併合とドンバス紛争から見ても、初めてである。これが3月前半のウクライナ戦争関連で、筆者が一番気になった出来事である。 ロシア当局は3月2日、ウクライナ人民族主義者のグループである破壊工作員が、ウクライナ国境から数百メートル離れたロシア領内のブリャンスク州のリウビエチャネ村に侵入。乗用車に乗っていた民間人2人を殺害し、11歳の少年が負傷したと主張した。 プーチン大統領はテレビ演説で、「ネオナチ」と「テロリスト」が「市民に発砲」した攻撃を非難、「我々は彼らを粉砕する」と言った。 そして実際に、ウクライナに軍事的に報復した。それまでの数週間の中でウクライナへの攻撃は、最大規模のものとなった。 その上ロシアでは、テロが誇張されて恐怖を煽るように伝えられた
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、来年2024年のパリ・オリンピックで、ロシアとベラルーシの選手たちが「中立の旗」の下で競技を行える計画を発表し、波紋を呼んでいる。 1月31日、バルト3国とポーランドは、パリ・オリンピックからロシアとベラルーシの全選手を排除することを要求するウクライナを支持し、IOCを当惑させた。 ラトビアのリンケビクス外相は、ポーランド、エストニア、リトアニアとの会議の席上で、「ロシア人とベラルーシ人の次回大会への参加を認めるという決定は、不道徳で間違ったものだ」と述べた。 ラトビア・オリンピック委員会は、ゾルツ・ティクメル会長を通じて、「ラトビアは侵略国と一緒に大会に参加しない」と、すでに大会のボイコットを予告している。 IOCは同日の夜、声明で立場を改めて表明した。 「ロシアとベラルーシの国家と政府に対する制裁は譲れない」とIOCは繰り返し強調し、この
サンクトペテルブルクに完成したワグネル・グループのビル。2022年10月31日(写真:ロイター/アフロ) 前の記事で、なぜロシアの統括司令官はスロビキンからゲラシモフに交代したのか、欧米メディアが語る6つの理由を紹介した。 おそらく全部本当なのだと思う。でもどうしても筆者には、100%の納得に届かないのだ。 この記事では、7番目の理由を考えるとともに、ワグネルの存在と、ロシアが抱える構造的な問題を考えてみたいと思う。 ゲラシモフのサポート不足? 筆者の目をひいたコメントは、ローレンス・フリードマン卿の意見だった。 英ガーディアンに掲載され、軍事作戦の政治について書かれた『コマンド』の著者である。 「私は、このことは、プリゴジン・スロビキン軸と見られるものに対する、保守派の動きだと疑っています。ソレダル・バフムート戦に関するワグネルのプロパガンダと、ゲラシモフのサポート不足に対する不満に促さ
1月12日、ロシアのショイグ国防大臣は、統括司令官の交代を発表した。 昨年10月8日から統括司令官を務めたスロビキン総司令官(航空宇宙軍司令官)は副司令官と降格になり、ロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長が統括司令官に任命された。 このことは、クレムリンの権力に近い人々さえ、驚かせたという。 スロビキンは、司令官として初めて権限拡大の恩恵を受けた人物だった。別名「ハルマゲドン将軍」。 2016年に「反乱軍」の抵抗を断ち切るためにシリアのアレッポの空からの破壊を命じ、同年末にシリアの都市を陥落させたことから、このあだ名がついた。 任命されてから、たった3ヶ月で交代。様々な憶測を呼ばずにはいられない。 新しく統括司令官になったゲラシモフとはどういう人物で、なぜスロビキンと交代となったのだろうか。 ゲラシモフ総司令官とはどんな人物か ヴァレリー・ゲラシモフ、67歳。ソ連が崩壊したとき、30代
1月13日、ソレダルから約4キロの地点にいたCNN取材班のジャーナリストは、ウクライナ軍が組織的に見える形で部隊を撤退させるのを目撃したという。 CNNがライブで放送した。「撤退するウクライナ軍にパニック感はなかったようだ」と指摘する。 ソレダルから撤退しても、南西に数キロ離れたバフムートへのウクライナ軍への補給能力に影響を与えないし、バフムートへの主要道路2本はウクライナの手中にしっかりと残されている。そのように、ウクライナ特殊部隊第一旅団のタラス・ベレゾベツ大尉が、この撤退と同じ13日に CNNに語った。 さらに、ウクライナの戦士は、13日のあいだ中、バフムートに近いロシア陣地を攻撃し続けているという。 さらに、ロシア軍の滞在所と思われる建物で爆発が起きた。 ツイートには、ハイマースのおかげだと書かれている。 CNNは、位置特定を行った。この映像のロングバージョンのほうは、現地にいたウ
英国国防省は1月2日、「この5日間、ロシア軍とウクライナ軍は、ロシアが支配するルハンスク州の町クレミンナの北を通る66号線幹線道路(P66)の支配権をめぐって、おそらく戦闘を続けている」と報告した。 66号線はロシア軍にとって、ロシアのベルゴロド地方からドンバス戦線北部への、重要な補給路となっている。 ここの地域では、道路と沿うように鉄道も走っている。 ロシアは首都キーウから撤退した後、東部に力を結集させることを選択した。 そして4月18日から19日にかけて、一夜にして、最初に陥落させたのがドネツク州のクレミンナであった。それほど、補給路として重要な地だったのだ。戦争が始まる前は1万8000人の住人がいた小さな町だったのだが。 クレミンナの鉄道駅。en.wikipedia.orgより。Visem作。 クレミンナは、ドネツク州のクラマトルスクの、北東約50キロメートルに位置している。2014
「西側は、歴史的なロシアを分割しようとしている」。 12月25日(日)にロシア公共放送で、プーチン大統領のインタビューの短い抜粋が放送された。 「分割して統治する。彼らは常にそうしようとしてきましたし、今もそうしようとしています。しかし、私たちの目標はまったく異なります。ロシア国民を団結させることです」と言った。 ロシア軍はウクライナで「正しい方向で行動している」のであり、 「我々は国益と我々の市民、我々の人民の利益を守ります」とも述べた。 「分割して統治せよ」とは、古代ローマ帝国による、支配地域の統治術をさしたものとも、フランス国王ルイ 11世による言葉に由来するとも言われる。列強による植民地支配も、この術策を用いたとされる。 つまりプーチン大統領は、西側は、ロシアの内部で互いに民族等が対立するように策を弄し、自分たちがロシアを支配しやすいようにしていると言いたいのだろう。もちろん、ウク
小山田圭吾氏(コーネリアス)の過去の「いじめ」が大問題になっている。 ネット上のソーシャルメディアでは、大大大炎上、大問題となっているのに、政治家や一般社会の動きは鈍いように見える。一部のテレビ番組で扱っている程度だ。 まるでネット空間(特にツイッター)だけで大騒ぎをしているみたいだ。これほど重要な、国の体面に関わる問題なのに。なぜだろうか。 私はその原因は「報道が、どこまで小山田氏が過去に行ったいじめの内容を、詳細に報道しているか否か」が大きいと思う。 「未成年の頃(障がい者を)いじめた」という情報しか知らない人が、「数十年も昔のことなんでしょう?」と関心をもたないのは、起こりうることである。 この現象が起きるのは、二つの断絶に原因があると思う。 一つ目は、国内の断絶。 二つ目は、日本と海外のメディアの断絶である。 これを書いているのは、月曜日未明なので、月曜日からは状況は変わるかもしれ
英国国旗は、左から北アイルランド旗、スコットランド旗、イングランド旗の組み合わせ(写真:PantherMedia/イメージマート) スコットランドの議会選で、独立派が過半数を占めた。 これから、英国の長い戦いが始まる。 英国は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの「くに」の連合からなっている。スポーツ好きな人なら、ワールドカップ等で、他の国は「日本代表」とか「フランス代表」なのに、英国は異なり、イングランド代表、スコットランド代表等になっていることを知っているだろう。 国の正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」で、通常はイギリスとか英国と呼ばれる。 ただし、日本語では、公的な名称では決して「イギリス」を使わない。「イギリス」は「イングランド」がなまったものと言われており、スコットランド・ウェールズ・北アイルランドを無視した呼び方になると考えるた
イギリスと欧州連合(EU)の交渉期限の12月20日(日)が終わってしまった。 一体、何度目の期限だろう。しかし、EUとイギリスは、漁業問題で合意に達することがどうしてもできない。 バルニエEU首席交渉官は、「真実の瞬間を迎えている。1月1日にこの合意を発効させたいのであれば、交渉に残された時間はわずかであり、有効な時間は数時間しかない」と欧州議会に語っていた。 そして欧州議会は、「20日24時までに合意文書を受け取らなければ、1月1日に協定(条約)が発効するように年内に議決するのは無理である」と、はっきり伝えていた。議会の不満は相当前からあった。 しかし、どんなに二者が頑張っても、交渉は年内ギリギリまで続くであろうことは、目に見えていた。 合意が20日までにできないと明白にわかった今、可能性は二つしかない。 年末までに合意に至れば、暫定的に1月1日から発効させて、そのあと両者の議会の批准を
見渡す限り男、男、男の衆議院。日本人の半分は女性のはずだが。(写真:Natsuki Sakai/アフロ) ・この原稿では、個々の事象ではなくて、大原則に立ち返って考えたい。 ・岡村隆史氏の発言が厳しく批判されるのは、人々の意識が健全な証拠である。 ・彼の発言は、男女平等度が世界で121位という、後進国日本の社会がうんだものである。 ・社会の問題を無視して、彼個人の人格の問題だけに落とし込んで幕引きを図るのはおかしい。 ・性風俗当たり前の環境で仕事があり、個人をいじって視聴率をとっておいて、個人の人格のせいだけにするのは、卑怯な感じがするし、いくらなんでも岡村氏が気の毒である。 ・現在の日本は、性産業という女性の「苦界」の入り口を<広く明るくする>という狂った現象に、公共放送までもが加担する、腐った社会である。 ・女性が幸せではない社会は、男性も幸せではない。男性も女性も、一つの社会を共に生
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まず筆者は、アメリカの暴挙も、非民主的な宗教的独裁国家も、両方反対であることは最初にはっきり書いておきたい。 その上で、スレイマニ司令官殺害の騒ぎを見ていて、ずっと思っていたことを書きたいと思う。 「スレイマニ氏殺害は、そんなに変わった事件だろうか」。 筆者には、歴史上、実によくあることに見える。 この問いを考えることは、なぜスレイマニ司令官は殺されたのかの答えと同じになる。 一言で言うのなら、アメリカとイランの共通の敵、アルカーイダやイスラム国の脅威が薄れてきた今、こうなったのは当然ではないのかと思うのだ。 まずは、大変おおざっぱにこの地域の最近の歴史を見ながら、説明していきたい。 伝統的な関係とはアメリカは、サウジアラビア等と仲が良い。友好国である。理由は主に石油である。 そして、サウジアラビア等は、イランと大変仲が悪い。理由はイスラム教の宗派である。サウジアラビア等はスンニ派、イラン
これを書いている現在は、イギリスで12月13日の午前0時すぎ、ヨーロッパ中央時間で午前1時過ぎである。 12日に行われたイギリス総選挙は、2時間ほど前の22時に締め切られ、すぐに出口調査の結果が発表された。 まだ正式な結果は出ていないが、出口調査は以下の通り。大変気になる投票率は、まだ出ていない。 ◎保守党:368議席(+51)歴史的大勝利 ◎労働党:191議席(−71)歴史的大敗北 ◎スコットランド国民(民族)党:55議席(+20) ◎自民党:13議席(+1) ◎プライド・カムリ(ウエールズの独立を目指す党):3議席(−1) ◎緑の党:1議席(変化なし) ◎ブレグジット党:0議席 ◎その他:19議席(うち18は北アイルランドの議席) 「やっぱり」と思う結果だった。欧州連合(EU)のたくさんの市民が、肩を落としているだろう。筆者も本当に残念だし、がっかりしている。 それでもEU機構側は、こ
11月9日は、ベルリンの壁崩壊の記念日である。 1989年の出来事なので、今年は30週年である。パリでもあちこちでイベントが開かれている。 30年経った今、東西ドイツはどのように違うのか、『ル・モンド』にわかりやすい図表が掲載されていた。 大変面白いので、ここで6つの地図を紹介しながら、欧州に刻まれて残る共産主義の遺産を見ていきたいと思う。 1,宗教をもたない人の割合旧東ドイツ(ドイツ民主共和国)は無神論的な共産主義体制だった。30年経ったいまでも、この遺産は特徴となっている。 ル・モンドの図表より。日本語は筆者が挿入。ドイツ中程に位置するテューリンゲン州は、宗教を持たない人の割合が最も高い。州都ワイマールで94.1%である。次に高いのは、ベルリンの西にあるブランデンブルク州の都市、ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェルで、88.1%である。 西ドイツとの違いは明らかだ。 ただし、西ドイ
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