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折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036) 作者: 郝景芳,ケンリュウ,牧野千穂,中原尚哉,大谷真弓,鳴庭真人,古沢嘉通 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/02/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 『紙の動物園』『母の記憶に』の両方がとんでもなく面白かったケン・リュウが選出したSF短編集。で、これもまた全作品ハズレなしの最高の短編集だった。 そもそも中国SFとはなんぞやと。SFの世界に中国風のドラゴンや拳法とかが出てくんのかななんて安易な発想してたんだが、こんな想像に対して本書冒頭においてケン・リュウ自身が「序文」として、 “100人のさまざまなアメリカ人作家や批評家に、"アメリカSF"の特徴を挙げるよう頼むところを想像してみてください──100の異なる回答を耳にするでしょう。おなじこと
今年も終わり。本はそれなりに読んではいるが、しっかり読み込んでブログ記事にまでした本は少なかった。 そんな中でも、とくに面白かったと感じる本をフィクション・ノンフィクションとそれぞれ3冊ずつ紹介したいと思う。 今年の上半期はすでにまとめてあるので、7月以降の下半期に読んだ中からチョイス。 まずはフィクション部門。 ◆ここから先は何もない ここから先は何もない 作者: 山田正紀 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/06/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 日本が打ち上げた無人探査機が、火星近郊の小惑星『ジェネシス』へ向かいサンプル回収するはずが、なぜか接近中に別の小惑星『パンドラ』へと着陸。そして回収したサンプルから発見されたのは、なんと『エルヴィス』と名付けられた化石人骨だった。なぜ、探査機は別の小惑星へと目標を変え、しかもそ
今週のお題「2016上半期」 上半期。光陰矢の如しで、もう本当になにやったか覚えてない。仕事と育児に忙殺された。 ただ、せっかくブログをやっているので、上半期に読んだ本でよかったものでもまとめてみようと思う。 小説とかのフィクションと、それ以外のノンフィクションを5冊ずつ。 ちなみに、作品の前に1.とか2.となってるけど、順位とかじゃなくて単純に読んだのが古い順にナンバリングしただけなのであしからず。 1.『太陽の簒奪者』 太陽の簒奪者 (ハヤカワJA) 作者: 野尻抱介 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2005/03/24 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 131回 この商品を含むブログ (168件) を見る Kindleの年末セールで買った小説。 僕は小説のジャンルとしてはSFが一番好きで、ハードだろうがソフトだろうが国内外問わず読む。 そんな僕がこういう有名作品を
カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 発売日: 2018/09/28 メディア: Kindle版 カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 発売日: 2018/09/28 メディア: 文庫 『バーナード嬢曰く。』という漫画をご存じだろうか。 読書好きで読書ブログ覗くような人なら認知率はかなり高いんじゃないだろうか。読書好きの登場人物たちが読書あるある的な出来事を交わし合う学園日常的な漫画で、元ネタの本を知らなくても楽しめるし元ネタを読んでいるとより面白い。 バーナード嬢曰く。: 5【イラスト特典付】 (REXコミックス) 作者:施川 ユウキ 発売日: 2020/04/28 メディア: Kindle版 で、それの5巻にこの『カササギ殺人事件』が登場する。 本の内容にはほとんど触れずに、ただ登場人物たちが上巻を読み終わった後、本
きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる? (朝日新書) 作者: 平山亮,古川雅子出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2016/02/12メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る あなたにはきょうだいが何人いるだろうか。 そして、そのきょうだいに、何も心配なことはないだろうか。 僕は3人きょうだいの長男。妻は4人きょうだいの末っ子。それぞれ、きょうだいに対して直接連絡を取る機会は少なくなっている。 妻のきょうだいには、うちの子供たちと同じくらいの子を持つ夫婦がいるので、互いに相手の子供の誕生日などに送りものなどをすることがあるが、そうでもなければ直接お互いがどうしているかの連絡なんてわざわざ取ることはほとんどない。 我が家の子供たちは、4歳の兄と1歳半の妹、そして今秋、3人目が生まれる。 まだまだちいさな子供たち。兄と妹は、妹が1歳半でまだ言葉のコミュニケー
もう2018年半分終わるのか… ついこの間息子にクリスマスプレゼント渡したばかりの気がするし、4月に子どもたち3人とも保育園で進級したから既に新しいクラスになって3か月たつのに、いまだに前のクラスに連れて行きそうになるしで、いまだに体が2018年に慣れてない。 ただ、個人的に半年に一度のルーティーンとして上半期下半期それぞれで読んだ本のおススメをまとめることにしているので、今回も少ないながらフィクション、ノンフィクションそれぞれを3冊ずつ、印象に残った本たちを紹介したい。 まずはフィクション ◆Ank: a mirroring ape Ank: a mirroring ape 作者: 佐藤究 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/08/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 2026年、京都。テロや略奪行為ではなく、「人がそれぞれお互いに殺し合う」という
カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 (生物ミステリー) 作者:浅原 正和 発売日: 2020/07/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 皆さんご存じ、カモノハシ。 でも、実際はカモノハシについてどれくらいのことを知っているだろうか。 変わった見た目、哺乳類なのに卵を産む、オーストラリアに生息、あたりが基本中の基本情報だろうか。そして、哺乳類・鳥類・は虫類といった生物の分類上の「例外」として扱われる存在でもある。 カモノハシっていう名前も覚えやすいし、「哺乳類なのに、卵」という例外のパターンも覚えやすい。見た目もどことなく愛らしいので、「自分はカモノハシが嫌いで見るのも嫌だ!」なんて人にも会ったことはない。 だけど、その生態についてどこまで知っているか?というと、意外と研究の進んでいない生物なのだそうだ。カモノハシ自体はとてもデリケートな生物で、オーストラリア以外での
事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学 作者:ターリ シャーロット 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2019/08/11 メディア: 単行本 本書のタイトルを見た瞬間、「ああ、反ワクチン派の人や、代替医療にハマってしまう人たちのことかな…」というのが頭に浮かんだんだが、まさにそんな内容だった。 まず本書の冒頭では、2016年の米国大統領選挙の前年に行われた、共和党の候補者討論会の様子が引き合いに出されている。 小児神経外科医のベン・カーソンと、不動産王ドナルド・トランプ。移民問題と税金に関する討論の間に、自閉症とワクチン摂取との関連性について議論が持ち上がった。 トランプはワクチン摂取と自閉症に関連があるという発言をしているが、それについてどう考える?と聞かれたカーソンは、「ワクチンと自閉症の相関を示す結果は報告されていない。トランプ氏だって頭がいいんだから、論文
2017年ももう半分終わる。次男も4月から保育園に通い始め、毎朝、そして毎夜、食事だ着替えだ登園だ風呂だと無限に続く育児ルーティーンであっという間に時が流れていく。自分の時間は仕事をサボりでもしないと取れない。 そんな日々でも、合間にちょこちょこと趣味の読書を挟んで自分の心の健康を保っていた。せっかくなので、2017上半期に読んで面白かった本をわずかだが振り返ってみようと思う。 ◆老ヴォールの惑星 老ヴォールの惑星 作者: 小川一水 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/11/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (4件) を見る みんなこれが面白いことは知っていると思うけど、僕は今年の1月に読んだのが初見だったので改めて「面白かった」と言わせていただきたい。 中編が4つ収録されていて、ハズレなし。基本はSFなんだが、ホラー、ミステリー、感動、いろんな要素が詰
ブラックホールをのぞいてみたら 作者: 大須賀健 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/07/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 凄くわかりやすくて面白い、まさにブラックホールの入門書にうってつけの内容。 宇宙に関する謎はたくさんあるが、特にブラックホールっていうのは面白そうで中二心をくすぐられて詳しく知ってみたいと思わせる魅力が高い。 『特殊相対性理論』や『事象の地平面』や『重力波』とか、そんなブラックホールの周りを取り巻く言葉たちもかっこよくて中二っぽい。 で、まさに本書ではそんなかっこいい言葉たちをわかりやすく噛み砕いて説明したうえで、ブラックホールというものの実態に迫っていく。 冒頭から特異点と事象の地平面という言葉を駆使してブラックホールの性質について説明され、解説図もついているためすんなりと形としてのブラックホールのイメージが頭の中に入って
禍いの科学 正義が愚行に変わるとき 作者:ポール・A・オフィット 発売日: 2020/12/08 メディア: Kindle版 グロテスクな装丁に『禍い』なんて禍々しいタイトルだったので、戦争や兵器の凄惨な歴史を紐解く本かな〜なんて手に取ったら全く違った。 本書は「優生学」や「アヘン」「マーガリン」などの、科学により生み出された、人類にとって有益になると信じられたものが、実は禍と呼ぶべきとんでもない悪影響を及ぼしたものについて、歴史的・科学的に詳しく解説したものだ。 本当に人類のための科学的なものだったの?センセーショナルな書き方をして強烈な印象付けしてない?って思ってしまうくらいに全章とも強烈。特に驚いたのがロボトミー手術の章だ。 脳に直接アイスピック ロボトミーとは、1930〜40年代頃、主にアメリカで行われていた「精神病の治療目的の手術」だ。主に脳の前頭葉白質切除という、脳の一部に直接
無人の兵団――AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争 作者: ポールシャーレ,Paul Scharre,伏見威蕃 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 無人兵器の解説書として現状における決定版。 何せ、技術の進歩が凄まじい。スマホやドローンの爆発的な普及により、電子機器の小型化が著しく、それは兵器においても当然そうなわけだ。 昔、P・W・シンガー著の「ロボット兵士の戦争」という本を読んで、あれこそ無人兵器解説書の決定版だろと思っていたが、あの本も2010年発刊なので今やもう古い。 そこで本書だ。最新鋭の無人兵器の解説を読むだけでもワクワクするが、技術力だけでなく大切なのはその運用方法を含めた政治的な議論である。その点も本書は抜かりなく、だからこそ現状の決定版と言える。 まずは無人・AI搭載兵器の現状について。 今の戦場
下級国民A 作者:赤松 利市 発売日: 2020/02/29 メディア: Kindle版 本書は「住所不定、無職、62歳でデビュー」という異色すぎる経歴を持つ著者による、東日本大震災直後の東北での復興事業に従事した経験を記したルポだ。震災関連のノンフィクションなんて今更珍しくもなんともないが、本書のあまりの内容の濃さにあっという間に引き込まれて一気読みしてしまった。 ひとりの人間が数年のうちに経験するレベルの話じゃじゃない。復興事業に携わった方たちのインタビューまとめた一冊と言われても疑いなく読めてしまうような内容だ。 もとは会社経営者だった著者。しかし、会社を倒産させてしまい、手元に残ったゴルフ場の芝管理事業からの収入で生活を保っていた。 そんなおりに発生した東日本大震災。土木建設関連の事業を営む知人社長から、東北での復興事業バブルに乗るべく、専務(知人社長の息子)と一緒に会社の営業部長
どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―(新潮新書) 作者:宮口幸治 新潮社 Amazon 『ケーキの切れない非行少年たち』の続編。前作はかなり話題になっていたので、このブログでも感想を書いた。 tojikoji.hatenablog.com 前作はタイトルがまずセンセーショナルだったので、それで手に取った人も多いと思う。 「ケーキを三等分する」ことをうまく飲み込めない非行少年たちが描いた、丸型のケーキをうまく三等分できずに、縦に三分割したり、T字型に分割されたケーキの図。この図もかなり衝撃的で、物議を醸しそうだなと思っていた。 「境界知能」という、知的障害とは認定されないが学習能力などが低い少年たちが、飛行に走り犯罪を犯してしまうこと、その後の更生のためのプロセスも理解できないために、矯正プログラムが意味をなしていないということについて前作では書かれていた。 ただ、読
今日のおやつは、メープルバナナマフィン。 おやつとしては基本中の基本。シンプルな味わい。 ◆材料 * 砂糖 大さじ2 * メープルシロップ 大さじ2 * サラダ油 大さじ2 * 牛乳 大さじ4 * 薄力粉 100g * ベーキングパウダー 小さじ1 * バナナ 1本 まず、ボウルに砂糖とメープルシロップとサラダ油と牛乳を加えてよく混ぜる。砂糖を溶かすような感じで。 そのあと、粉類を振るって投入。多少粉っぽさが残ってもいいので手早く混ぜる。 最後に、別皿でフォークの背などで潰したバナナ投入。ゴムベラでさっくりと混ぜる。 あとは型に流し込んだら、180℃のオーブンで25分焼けば完成。 バナナとメープルシロップの香りがいい感じ。 ただ、これでも甘さ控えめなので、甘いのが好きならさらにメープルシロップかけて食べてもいい。 娘がパクパク食べてくれた。息子は何故かマフィンがあまり好きではないらしく、せ
アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した 作者: ジェームズ・ブラッドワース,濱野大道 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2019/03/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 「ワープア」って言葉、なんかあんまり聞かなくなってきたのは気のせいだろうか。 格差は広がる一方なので、ワープアだと響きが軽すぎて使わなくなったのだろうか。低賃金労働の問題は、むしろどんどん大きくなっていると思うんだが… 本書は日本ではなくイギリスのワープア、最低賃金労働者たちの現状について、著者自身が実際にその現場で働き知り得たことを綴った、実体験に基づくルポタージュだ。 ただの頭でっかちなノンフィクションではなく、実際の経験を元に書かれているので、経験者にしかわからない細かなストレスや心理状況についても描写されているのが面白い。 例えば第1章では、著者はアマゾンの巨大倉庫で
srdk.rakuten.jp 面白かった。 『古典は除く』『手に取りやすいように文庫化されているもの』 この2つの縛りだけでとてもありがたい。 『戦闘妖精・雪風』と『火星の人』は既読で、当たり前だがどちらもめちゃくちゃ面白かった。雪風のほうは続編の『グッドラック』と『アンブロークンアロー』も当然面白い。続編になるほどSF色も増していくので、雪風を入門として続編へと読み進めていくといつの間にかSF沼にどっぷり浸かることができる。 ほかの3つは未読。コニー・ウィリスは以前『航路』を読んだんだが、長さに飽きてしまい読みかけのままだ。今からでも読み直してみようかなと思う。 こういう記事を読むと、自分でも同じ条件で面白いSFを紹介したくなる。というわけで、『古典は除く』『文庫化されている』縛りで、おススメ作品を紹介しようと思う。 ◆『老ヴォールの惑星』 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フ
今日のおつまみは、新じゃがのパイユ。 なんか、ワンピースでサンジが作ったらしくて少し有名な料理らしい。 ◆材料* 新じゃが 中〜大のサイズ 1個* 粉チーズ 大さじ1* 塩コショウ 適量* オリーブオイル 大さじ3くらい まず、じゃがいもを薄切りにする。スライサー使うと便利。少し水にさらして、アク抜き。 今度は重ねて切って細切りに。細い方が美味しいと思うけど、テキトーで大丈夫。 ボウルにじゃがいもと粉チーズと塩コショウを加えて、混ぜる。 で、あとはオリーブオイルをひいたフライパンで焼く。中火でじっくり。 ひっくり返して両面焼く。両面にカリッと焼き色がつけば完成。 もちろん、カリッカリに焼くのがオススメ。ただのじゃがいもなんだけど、フライドポテトよりも少ない油で作れて、お手軽なのがいいところ。じゃがいも1個でも結構大きく作れる。 今日は、プレモルの「香るエール」を試してみた。僕はエールビール
ハダカデバネズミのひみつ 発売日: 2020/08/15 メディア: 単行本 ハダカデバネズミについて、そのインパクトのある名前と姿は当然知っていた。だが、内に秘めた驚異的なポテンシャルについて、僕は1割も知らなかったことを思い知らされた。 その名前と見た目で、スベスベマンジュウガニとかトゲアリトゲナシトゲトゲみたいにたまに動物系テレビ番組とかWEBのまとめサイトとかで目にするお笑い動物的な存在だろ…と思っていた自分を戒めたい。こんなに面白くて科学的な可能性を秘めた奴だったなんて… まず特徴的なその出っ歯。ハダカデバネズミはアフリカ東部のケニアなどの草原に生息し、地中にトンネルを掘りコロニーを形成しているのだが、トンネルをこの出っ歯で掘る。繰り返す。トンネルを、出っ歯で掘り進む。 地中生活を送る生物の多くは強靱な前脚でトンネルを掘るイメージだが、まさかの歯。歯をツルハシのように使い、土をど
お題「お気に入りのそうめんの食べ方」 冷たいそうめんをわさびたっぷりの麺つゆにつけて食べるのが好きなんだが、最近はよく「釜玉」そうめんをやる。 簡単で、包丁とかも使わずに済むので洗い物も少ないのがいいところ。 ◆材料 *そうめん 1束 *卵 1個 *だし醤油 適量 *薬味 お好みで まず、麺を普通に茹でる。 うちでは、そうめんのほかにこの白石温麺をよく使う。素麺より若干太くて、短いのが特徴。冷たくてもあたたかくても美味しく食べられ、短いので子供たちも食べやすい。 多めのお湯で茹でるのがポイント。本当なら茹でたあとでざるにあげて水洗いし、ぬめりを取りたいところなんだが、茹で上がりのアツアツのまま使いたいから水洗いできないので、多めのお湯で茹でて少しでも麺のぬめりを取る。 あとはざるに上げて、湯切りした後にどんぶりへ。 上から卵を割り入れ、だし醤油とお好みの薬味をかければ完成。 ぜひ使ってほし
三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 三体Ⅱ 黒暗森林(下) 作者:劉 慈欣 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 久々に止まらなくなった。夜更かししてまで一気読みしたのはいつ以来だろう。 完全に前作『三体』の続きなので、内容を覚えている人はいいが忘れた人はあらすじをネットで見てから読んだ方がいい。未読の人はちゃんと前作読んだ方がいい。前作も破格の面白さだから。 前作は異星文明である『三体』世界から、三体人が地球侵略に向かって来る、襲来は400年後だ!という場面で終わった。 そして本作は、その三体人侵略までの400年、地球人類側がいかに対策をするかという話だ。 三体人襲来までは400年、準備期間は充分あるように見える。だが圧倒的に進んだ三体文明を相手に、400年で人類は革新的な技術などを得て対抗する手段を構
生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: ケンリュウ,牧野千穂,古沢嘉通,幹遙子,大谷真弓 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/02/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 『紙の動物園』『母の記憶に』の短編集、そして様々な中国人作家の作品を自身が精選したアンソロジー『折りたたみ北京』と、関わった作品すべてが面白かったケン・リュウの短編集第3弾。 で、もちろんこれも期待通りの面白さだった。 前2作まででは、心の琴線に触れるような泣ける話こそがケン・リュウの真骨頂だと思っていたんだが、本書収録作品はかなりバラエティに富んでいて、今までのケン・リュウ作品をいい意味で裏切ってくれた。 冒頭の3作『生まれ変わり』『介護士』『ランニング・シューズ』はどれも重めの心理描写で「ああ、ケン・リュウやっぱり凄いね…」って感じで読み始めたんだが、その次の『化学調味料ゴー
一汁一菜でよいという提案 作者: 土井善晴 出版社/メーカー: グラフィック社 発売日: 2016/10/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る とても優しさが溢れた本。タイトルからは想像できなかったが、本書は日々の忙しさに浮き足立っていた僕に、家族の温かさと大切さを再認識させてくれた。 今現在、平日の晩御飯はだいたい僕が作っている。 仕事を終えて18時くらいに帰宅。ママは0歳の次男を寝室で寝かしつけしているので、長男と娘の相手を適度にしながら食事の準備を始める。作るのは、主菜になる肉や魚料理、副菜として卵焼きや煮物やサラダなどをだいたい2品、それから味噌汁。出来るだけ調理時間を短縮するために、冷凍の煮魚やコロッケなんかを利用して、だいたい30分くらいで仕上げられるようにしている。18:45くらいに子どもたちと一緒に「いただきます」を言うのが理想だ
ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活 作者: 國友公司 出版社/メーカー: 彩図社 発売日: 2018/09/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 「ドヤ」に泊まり、「飯場」で実際に働いた男のルポ。これが凄まじく面白かった。 そもそも、「ドヤ」とか「飯場」という言葉の意味にピンとこない人は多いんじゃないだろうか。 というか、今は「ドヤ」も「飯場」も準放送禁止用語らしい。 「ドヤ」は今風に言うなら「ユースホステル」と言ったところだろうか。要するに格安で泊まれる宿のことで、「ドヤ」は宿(やど)を逆から読んだことが名前の由来らしい。ユースホステルと言うとバックパッカーが浮かぶけど、「ドヤ」というと一般的には日雇い労働者なんかが寝泊まりする格安の宿のことを言う。(追記;格安の素泊まり宿であることをお伝えしたかったのですが、全く別物とのご指摘をいただきました。お
ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか 作者:田野 大輔 発売日: 2020/04/17 メディア: Kindle版 ファシズムと聞いて、なにを思い浮かべるだろうか。 誰でも歴史の授業で聞いたことはあるだろう。そして、真っ先に浮かぶのはナチスだという人が多いだろう。 そもそもファシズムとは、第一次大戦頃にドイツやイタリアで台頭した独裁的・全体主義的な政治体制のことで、歴史的現象を指す言葉だ。 ただ。有名なナチズムでさえも多様なファシズムのあり方の一つであり、根本的な本質を一つに絞るのは難しい。 よって、本書においてファシズムとは「集団行動がもたらす独特の快楽」に焦点を当てている。大勢の人々が強力な指導者に従って行動するときの熱狂、攻撃性の強さ。それはファシズム独特のもので、こういった共同体統合による行動の仕組みこそがファシズムの怖さであるのだ。 甲南大学文学部教授である著者は、自身の授
三体 作者: 劉慈欣,立原透耶,大森望,光吉さくら,ワンチャイ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/07/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 各所で話題になった本書。 やっぱり今は中国SFが熱いらしい。ケン・リュウも『紙の動物園』以降、個人的には「絶対に毎作品チェックすべき作家」になったし、ここ何年かは日本で出版される中国SFってかなり多くなっているイメージだ。 ただ、ケン・リュウは正確には米国在住で作品の出版もまずは米国からのようなので、中国SFってカテゴリーが適当かどうかわからない。 だが、そもそもケン・リュウ自身が翻訳した中国SFアンソロジー『折りたたみ北京』の序文において「アメリカSFの特徴を挙げろと言われても人それぞれ違うだろうから、中国SFだって同じだ」的なことを述べていたので、余計な先入観持たずに各賞を受賞するような素晴らしいSFを読んで楽しめ
人喰い (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズIII-8) 作者: カール・ホフマン,奥野克巳,古屋美登里 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2019/03/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書を読んで得られるのは、知識や教養などといった安易なものではない。 むしろ、自分にはまだまだ知らないことや、理解できない世界がとんでもなく広がっているということを思い知らされた。 サブタイトルにもなっている『ロックフェラー失踪事件』の『ロックフェラー』は、あの『ロックフェラー』だ。 19世紀末のアメリカ、世界一の大富豪と言われた石油王ジョン・D・ロックフェラー。 その孫であり、事件当時の1961年に大学生だったマイケル・ロックフェラーこそが、本書のタイトルでもある「人喰い」によって殺される被害者である。 「プリミティブ・アート」と言われる、未開の地の原住民たちが作る美術品。
時のきざはし 現代中華SF傑作選 作者:江波,何夕,糖匪,昼温,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,黄海,梁清散,凌晨,双翅目,韓松,吴霜,潘海天,飛氘,靚霊,滕野 発売日: 2020/06/26 メディア: 大型本 ここのところの中国SFブームに乗せられ、Netflixで映像化が話題になった『三体』シリーズや、『紙の動物園』に代表されるケン・リュウの著作、『折りたたみ北京』などのアンソロジーと、評判になったものをだいたい読んできた。 で、全作品とも読んですぐに好きになる面白さを携えていた。翻訳物のハードSFにありがちな難解さやとっつきにくさがなくて、「ちよっと何言ってるのかわからない…」なんて部分がほとんどない。どの小説も最初から最後まで面白いのだ。そんな感じで、個人的に「邦訳された中国SFにハズレなし」な状況になっている。 本書はケン・リュウ編の『折りたたみ北京』のように、さまざまな作家の短編を集
「家庭料理」という戦場: 暮らしはデザインできるか? 作者:明教, 久保 発売日: 2020/01/14 メディア: 単行本 ”暮らし”を”デザイン”するという言葉は、CMや雑誌やネットで「よく目にする」言葉だ。 ホームセンター、家具屋、ファストファッションブランドの店頭展示ではシンプルでモダンなデザインの家具、服、キッチン用品の展示を目にする。 おしゃれなワンプレートのランチで楽しそうに談笑する家族。対面式のキッチン。日当たりのいいリビング。 ステレオタイプなイメージだが、憧れを抱く生活には一定のパターンがあるように感じる。丹念にデザインされたそれは、所謂「生活感」というものを感じさせないことが多い。テーブルや床に物が溢れ、統一感のない食器や家具を使う生活とは一線を画したものだ。 無論生活の基盤には衣食住があり、おしゃれなワンプレートを食べても、カップラーメンを食べても、腹は満たされると
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