タイ政府は21日夜、バンコク都・ノンタブリ県全域、およびパトゥムタニ県・サムットプラカン県の一部に22日より60日間、非常事態宣言を発令すると発表した。 スラポン副首相兼外相はその理由として、①反政府デモ隊は、政府機関、金融機関を不法に占拠した上、職員に対し業務放棄を命じるなど完全に暴徒化した、②第三者の介入により状況が激化し死傷者が続出している―ことなどを挙げている。 非常事態宣言下では、市民の権利が大きく制限され、政治集会が禁止されるほか、治安当局は一部の道路・建物への侵入禁止を命じることができる。また、状況によっては逮捕状なしの逮捕が認められるほか、治安維持の権限が軍にも与えられる。 ただ、今回はまず警察が治安維持を担当し、軍は当面、後方支援となるようだ。治安維持の責任者は、元警察官僚のチャルム労相。同労相によれば、「デモ隊に対して武力を行使することはないが、国際社会に認められる手段