引用日本の多くの新聞は、なぜ中ソ両国が日本を目標とした同盟条約を締結したか、 あるいは締結しなければならなかったかを反省しようとしなかった。 多くの新聞は、日本の戦力放棄と民主化を事実として示して中ソ条約が目標を誤っていると指摘したが、 アメリカが日本と沖縄を恒久的な基地と使用としているという事実こそ、 中ソ両国を同盟条約に走らせた根本の要因であった。 アメリカの断片的講和政策がいかに日本の将来にたいするアジア・大洋州諸国の警戒を深めさせているかを注視するならば、 日本国民は、中ソ友好同盟条約を偏見なく読むことによって自己のすすみつつある方向を真剣に反省すべきであった。 しかし、多くの新聞は、逆に中ソ両国に非難をあびせることにより、 アメリカに和して日本国民の反ソ感情をあおり、全面講和を促進しようとする中ソ両国の主張を黙殺しつつ、 ひたすらに単独講和の道に日本国民をみちびくことになった。