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ブックレビュー
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ちょうど2年前、VAGANCEでは音楽家・渋谷慶一郎および、彼と彼のパートナーであるmariaが作ったレーベル“ATAK”についてインタビューを行なった。レーベル創立5周年を迎えた当時のATAKは、渋谷慶一郎と池上高志(東京大学教授 / 複雑系研究)による“第三項音楽”プロジェクトが加速度的に進化し、予想だにしなかった展開へと突き進む渦中にあった。 あれから2年を経て、ふたたび渋谷慶一郎を取材することになった。1月23日のイタリアを皮切りに始まったツアー『ATAK NIGHT4』は、ベルリン、ケルン、チューリッヒ、パリにてすでにライブを終え、4月11日からはツアー後半として台北、山口、京都、東京をまわる。その間を縫うように、2月18日には『ATAK012 OLEVA Ø Mika Vainio』を、5月20日には『ATAK013 ligne i8u+Tomas Phillips』をそれぞれ
今年で60周年を迎える国立国会図書館。昨年度から第14代館長を務める長尾真館長は、年初に「長尾ビジョン」なる指針を発表した。「知識はわれらを豊かにする」という標語のもと、具体的に図書館が取り組む事柄7項目を高らかに宣誓し、国立国会図書館の決意を内外に知らしめたこの「長尾ビジョン」。その真意はどこにあったのか、そして長尾館長の目指すものとは──「LEGGO」案内人である空間デザイナー・李明喜さんがインタビューを行った。 李:今日は対談とは言いましても、ほとんど僕のほうから聞かせていただくことになると思います(笑)。 長尾:何でも聞いて下さい(笑)。 李:僕は空間を作っていますが、空間を「コミュニケーションが起こりうる環境」と捉えています。それゆえ、サーフェイスデザインとしての建築やインテリアにはあまり興味がなく、空間のデザインを通しての認知や知覚、言語等に興味を持って考察しています。それらを
VAGANCEがお届けするレビュー、リリースほか今年で60周年を迎える国立国会図書館(昭和23年開館)が、貴重な蔵書77点を一堂に公開展示する「国立国会図書館開館60周年記念貴重書展 学ぶ・集う・楽しむ」が10月なかばから11月末にかけて、東京本館と関西館にて開催される。 「学ぶ─古典の継承─」「集う─知の交流─」「楽しむ─絵入り本の様ざま─」の3部構成となる展示には、日本で最初に刊行された古活字版『源氏物語』『伊勢物語』『平家物語』『謡本』『論語』などの和漢の有名な古典の写本や、『南総里見八犬伝』(馬琴の書き入れあり)、曲亭馬琴の書簡、大田南畝の随筆『一話一言』(自筆本)などの江戸時代の学者・文人等の自筆本・書き入れ本・書簡、そして『御馬印』、喜多川歌麿の絵本『狂月坊』などの室町の絵巻から江戸の多色刷り版本まで、美しい絵入り本の数々を紹介している。 また、重要文化財である近世の日朝外交関
ASCOLTO / ルーツからの時間、ルーツへの時間〜『ルーツ・タイム』に見るレゲエ考 いま公開中の『ルーツ・タイム』(シルベストレ・ハコビ監督、ジャマイカ+アルゼンチン、2006年)は、ルーツ(根っこ)とつながるという感覚が、人種や民族や国境を越えていかに訴求力を持ち続けているかの好例だ。 ハコビ監督がジャマイカ音楽の中で特に好むのは、故ボブ・マーリーに代表されるルーツ・レゲエと呼ばれるもの。ジャマイカの住民の多くは大西洋奴隷貿易で拉致連行されてきたアフリカ人の後裔だが、ルーツ・レゲエはそんな彼ら彼女らに、自分の根っこという意識を覚醒させた。アフリカ回帰を望む数え切れないほどの歌が歌われてきたし、その一方で、“どこの国で暮らそうがおれ達はアフリカ人さ”(ピーター・トッシュ『アフリカン』)と呼びかける歌も歌われてきた。そしてルーツ・レゲエの曲の多くは、こうした詞を乗せるには他の種類の音など
現在、アニリール・セルカンは、2010年以降に予定されている有人惑星探査ミッションの宇宙飛行士候補として名を連ねている。そのため1年のうち何度かはNASAに行き、水の中で生活する(水の中は無重力に近いと言われているため)などの特別な訓練を受けている。そのNASAで彼は来日する前、宇宙エレベーターの開発プロジェクトに携わっていたことがある。 「エレベーターというと人間を運ぶイメージがあるのですが、どちらかというと物質を運ぶためのものと考えた方がいいかもしれません。たとえば、そのエレベーターを使って地球上にはない月にあるヘリウム3という元素を、もし持ってくることができたとしたら、アメリカの1年分の電気がまかなえてしまう。そういった可能性のある物質が宇宙にはたくさんあるかもしれないということを考えると夢はありますよね」 ということは将来、月から持ってきた今まで地球になかった違った素材で作られた指
たくらむ──「くわだてる」、「もくろむ」と同様に、なにか少しだけ悪戯めいた謀をイメージする言葉である。そんな言葉が名前になっている製品開発会社がある。デザインエンジニアリングファーム“takram”。スタッフの全員が工学的なバックグラウンドを持っているtakramは、その特性を活かし、デザインとエンジニアリングの双方からプロダクト開発を追及している。今回の「LEGGO」では、このtakramの代表である田川欣哉さんと、「LEGGO」案内人である空間デザイナー・李明喜さんのブックトークをお届けする。 田川さんの「本のある生活」は、本棚を持たずにたったひとつの箱に入るだけの本しか所持しない、という一風変わった、しかしモノ造りの本質が垣間見れるものであり、まさに“少しだけ悪戯めいた謀”──たくらみだった。 ■ 田川さんの本箱に入っていた本(2007年7月現在) ・『誰のためのデザイン?―認知科学
──漫画とかって読まなかったんですか? 幅:けっこう読んでいましたよ。『スラムダンク』とか『ドラゴンボール』とかも読んでたけど、大人になってから流行り出したものには距離を置いていました。でも、『ONE PIECE』は40歳のおじさんと5歳の親戚のこどもに薦められたから、騙されたと思って読んでみたの。5歳が薦めてくる本ってすごいと思いません(笑)? とりあえず1巻を読んだら面白くって。その夜タクシーで渋谷のツタヤまで行って、全部買って読みました(笑)。 李:一気読み、すごいね(笑)。 幅:うまいんだよね、尾田栄一郎がね。って……『ONE PIECE』論になっちゃってるけど(笑)。 李:幅さん、最近は何やってるの? “スーベニア フロム トーキョー”と“d-labo”のほかに。 幅:“風景としての本”みたいなのを作っています。本棚プロジェクトっていうのがあって、本棚と本をパッケージで売るの。
よく晴れた昼下がりの歌舞伎町。アルタを抜け、コマ劇場を抜け、新宿駅から15分ほど歩くとコリアンタウンにさしかかる。漂うのは、「夜はさぞかし……」と思わせる雑然とした雰囲気。しかし音楽家・菊地成孔はこのディープなエリアの鉄筋コンクリート造のマンションに、当然のように居を構えている。思いのほか日当たりがいい部屋の中は、夥しい量の本やCD、ショッピングバッグでごった返していた。 ――『VAGANCE』のテーマは「価値ある浪費の追求」となっています。この新宿という地域はある意味、東京の中でも浪費の象徴のような街ですね。 回っているお金の性質から言えば、水商売よりですけれども。 ――デパートが本当にお好きなようで。 昼間は基本的にデパートにいます。新宿の全部のデパート会員カード持ってるんですよ。 ――デパートって浪費に対してプレッシャーを与えてきますよね、あの手この手で販売意欲を増進させて、「お金を
日常生活のなかで、「常識」として疑問を持たないで生活していることは意外に多い。たとえば信号、青がススメで赤がトマレ。いったい誰が決めたのだろう。日本中、いや、世界中を見てもほとんど同じである。 これは指輪にも言えることである。 「どうして結婚すると指にリングをはめるの?」 じつは僕も彼に問われるまで気にも留めたことがなかった。彼の名は、アニリール・セルカン。トルコ人初の宇宙飛行士候補であり、東京大学大学院の助教として教壇にも立つ。8カ国語を操るセルカンの頭の中のような、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムなど様々な蒸留酒が入った強いカクテル“ロングランドアイスティー”を飲みながら、日本語で語り合った。 「職業柄なのかもしれないけれど、僕は想像したり考えたりすることが好きです。ただ、想像したり考えたりしたうえで、自分が納得しないと行動には移さない。だから逆に“結婚すると指輪をはめる”というような“
GUARDOで2回に渡って掲載した森達也と綿井健陽の対談。いつしか話は映画を飛び越え、“負のグローバリゼーション”の構造から、戦争やセキュリティの構造の話へ── 綿井:いろいろなことを取材していると、小さな事象を調べていって、いずれは大事実に行き着きたいと思うんです。「ファクト(事実)を取材して、メガファクト(大事実)に辿りつきたい」と言った人がいましたが、ジャーナリストとしては確かにそうだと思います。しかし、結局ほとんどは辿り着かないし、むしろまったく別の事実がいくつも出てきて問題が複雑になる。でも、それを何らかの形で自分の中で整理するじゃないですか。その過程でどうしても、どこか自分のなかでも「単純化」していると思うんですよね。読者や視聴者も最終的には結末、結論みたいなものをどうしても求めてしまう。 以前京都のある大学で、『Little Birds─イラク戦火の家族たち─』の上映会をした
淡水湖としては世界第2位の大きさを誇るヴィクトリア湖。生物多様性の宝庫で“ダーウィンの箱庭”と呼ばれていたその湖に、ささいな試みから放たれた外来魚・ナイルパーチ。その試みから半世紀を経たいま、湖周辺で暮らす人々の生活は一変していた。一大魚産業で経済が潤う反面で、貧困にあえぐ住民もいる。売春、エイズ、ストリートチルドレン、そして環境の悪化。そうした悪循環の構造を鋭く描き出した『ダーウィンの悪夢』について語るのは、ドキュメンタリー作家のみならず、文筆家としても活躍している『A』監督・森達也と、ビデオジャーナリストで『Little Birds─イラク戦火の家族たち─』監督でもある綿井健陽。この2人が、世界中の映画祭で大きな注目を浴びた『ダーウィンの悪夢』について語る。 綿井:NHKのBSで以前放送された「ダーウィンの悪夢」をもう一度昨日見てきました。 森 :BSって全部やったんだよね? 綿井:前
2002年に音楽家・渋谷慶一郎とmariaによってスタートしたレーベル“ATAK”は、これまで数々の進化を遂げてきた。 ふたりによるラップトップデュオ“slipped disk”のCD『ATAK001』リリースを皮切りに、高橋悠治とのコラボレーション、60人のアーティストによる9.11への音の抗議『60 sound artists protest the war』コンピレーションワーク、stilluppsteypaやGoemなどの海外アーティストの作品リリース、そして2004年末に満を持して発表された渋谷慶一郎ソロワーク『ATAK000』で一旦大きな区切りをつけたかのように思えたが、2005年の夏頃から始まった渋谷慶一郎と池上高志(東京大学助教授 / 複雑系研究)による“第三項音楽”プロジェクトのスタートによって、ATAKの活動は思いもよらない方面にまで広がることとなった。 常に進化を続け
【お送りするもの】 2021年度ランドセルカタログ 子どもカタログ 生地見本 →※生地見本の配布は終了しました 絵本(テアちゃんのランドセル) →※絵本の配布は終了しました 現在は「2021年度ランドセルカタログ」のみ送付可能です。 「2021年度ランドセルカタログ」も数量限定なので、お申込みはお早めに。 申込みはコチラから>>池田屋ランドセルカタログ請求
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