ミヒャエル・エンデの『モモ』の中で「致死的退屈症」という言葉が出てきます。 灰色の男たちに時間を支配されてしまうとやがてかかる、死に至る病。 症状は、「うつ病」に酷似していると言われています。 致死性退屈症の症状致死性退屈症の症状が作中で説明されているので少し長いけど引用します。 「はじめのうちは気のつかないていどだが、ある日きゅうに、なにもする気がしなくなってしまう。 なにについても関心がなくなり、なにをしてもおもしろくない。この無気力はそのうちに消えるどころか、すこしずつはげしくなってゆく。 日ごとに、週をかさねるごとに、ひどくなる。気分はますますゆううつになり、心のなかはますますからっぽになり、じぶんにたいしても、世のなかにたいしても、不満がつのってくる。 そのうちにこういう感情さえなくなって、およそなにも感じなくなってしまう。 なにもかも灰色で、どうでもよくなり、世のなかはすっかり