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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (19)

  • 早川書房の2000作品以上が50%割引の電子書籍セールがきたので、新作SF・ノンフィクションを中心にオススメを紹介する - 基本読書

    ブラックフライデーに合わせて恒例となっている早川書房の50%割引のセールがきているので、今回も一年以内に刊行された新刊を中心におもしろかった作品を紹介していこうかと。夏頃のセールが2700点がセール対象だったのにくらべて今回は「2000作品以上」ということで、特に直近半年ぐらいの作品はあまりセール対象になっていないようだが、それでもおもしろいはたくさんあるので観ていこう。 amzn.to 最初はSFから プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazon引き続き劉慈欣作品の多く(『三体』三部作からスピンオフの『三体0 球状閃電』や『三体X 観想之宙』や短篇集の『円』など)がセール中なのでまだの人にはひとまずおすすめしておくのと(最新刊の劉慈欣長篇デビュー作『超新星紀元』はセール対象外)、アンディ・ウィアーの傑作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』もセール対象。

    早川書房の2000作品以上が50%割引の電子書籍セールがきたので、新作SF・ノンフィクションを中心にオススメを紹介する - 基本読書
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    soh335 2023/11/24
  • 2022年のおもしろかった本などを振り返る - 基本読書

    ぼんやりしてたら2022年が終わってしまったが、振り返らないよりはマシだと信じて今からおもしろかったなど振り返ろう。今年もアニメ、小説、ノンフィクション、ゲーム……あらゆる媒体でおもしろい作品がいっぱいあった。そのすべてを取り上げることは不可能だけれど、この記事で思うがままに触れていきたい。 小説など(主にSF) プロトコル・オブ・ヒューマニティ 作者:長谷 敏司早川書房Amazon読んだ小説の大半はSFなのでSFの話をするが、最初に触れておきたいのは、最先端テクノロジーとその倫理・社会的課題を描き出してきた長谷敏司が、人工知能✗ダンスをテーマに描き出した長篇『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』だ。事故によって右足を切断することになったプロのダンサーが、AI搭載の義足を使い、AIと人間の新しい”共生のかたち”を模索していく。著者自身の介護体験も織り込まれた、最先端の壮絶な物語。今年の小説

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    soh335 2023/01/02
  • 『三体』三部作の裏側で起こってきたことに光を当てる、まさにこれが読みたかった! と思える公式スピンオフ──『三体X 観想之宙』 - 基本読書

    三体X 観想之宙 作者:宝樹早川書房Amazonこの『三体X』は、劉慈欣による中国SF最大の話題作である《三体》三部作の、宝樹による公式外伝(スピンオフ)である。公式外伝といっても種類はたくさんあるが、作が描き出すのは基的には『三体』の第三部で起こっていたことの裏側になる。 三体の第三部はそれまでの第二部とは異なって極めてスケールが大きくなったこともあって、小さなことは置いてけぼりに物語が進行していった。作(『三体X』)はそのあたりの拾われなかったSF設定を広げたり、キャラクタ間のありえたかもしれないやりとりを補完したりといった、二次創作的な色の強い作品となっている*1。扱い的にも正史の中に組み込まれているわけではなく、あくまでもパラレルワールドだ。 《三体》三部作は楽しんだけど二次創作はええかな〜という人もいるだろうし、僕も読み始める前はその気持ちがあったが、読み終えてみればそうも

    『三体』三部作の裏側で起こってきたことに光を当てる、まさにこれが読みたかった! と思える公式スピンオフ──『三体X 観想之宙』 - 基本読書
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    soh335 2022/07/15
  • 初心者から再読者まで、森博嗣の多様で自由な世界を示す10冊を紹介する! - 基本読書

    の雑誌に寄稿した「森博嗣の10冊」原稿を転載します。ちょこちょこブログ用に書き換えてます。あと、そんなにひねったラインナップにはなってないかと。強いていえば『スカイ・クロラ』が入ってないことぐらいかな。大好きな作品ですが、『ヴォイド〜』と迷ってこちらを選択しました。 はじめに 森博嗣は一九九六年にミステリィ作品『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞してデビューし、その後破竹の勢いでシリーズ作品を刊行。デビュージャンルのミステリィの枠を超え、エッセイ、日記シリーズ、SF、幻想、絵、詩集、趣味の庭園鉄道やジャイロモノレールについて書かれたノンフィクションまで、数多のジャンル・テーマの作品を開拓し続けてきた。総作品数は文庫化などの重複を除いてさえも二〇〇を超える。そんな作家なので一〇冊の選定は困難を極めるのだが、今回はできるかぎり間口を広く、森博嗣の多様な側面を紹介してみたい。 ミス

    初心者から再読者まで、森博嗣の多様で自由な世界を示す10冊を紹介する! - 基本読書
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    soh335 2022/03/07
  • 2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2021年も終わろうとしているので、今年刊行されたの中でも特におもしろかった・記憶に残ったノンフィクションを振り返っていこうかと。昨年に引き続き今年もの雑誌の新刊ノンフィクションガイドを担当していたので、冊数はノンフィクションだけで200冊ぐらいは(数えているわけではないけど)読んでいるはず。 とはいえ、無限にピックアップしても仕方ないので、10冊目安に紹介していこう。 まずは科学書から 彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学 作者:キース・クーパー河出書房新社Amazon科学系のノンフィクションの中でも宇宙系から取り上げていくと、まず紹介したいのはキース・クーパーによる『彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学』。今年は中国最大のファーストコンタクトSF『三体』三部作が完結し、年末に邦訳が刊行されたアンディ・ウィアー最新作もファーストコンタクトSFの傑作で

    2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書
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    soh335 2022/01/15
  • 森博嗣による、Xシリーズに続く、浮気調査に明け暮れるリアルめの「探偵もの」──『歌の終わりは海 Song End Sea』 - 基本読書

    歌の終わりは海 Song End Sea (講談社ノベルス) 作者:森博嗣講談社Amazon精神的なダメージを負いながらも地道でたいして儲かるわけでもない探偵事務所での仕事に明け暮れるうちにその傷が癒えていく主人公小川令子の生き様が描かれていった『イナイ×イナイ』からはじまるXシリーズ。この『歌の終わりは海』は、そのXシリーズから時系列を引き継いで小川令子&加部谷恵美の二人を中心に展開するシリーズの番外編である。読者の反響次第ではシリーズ化する可能性もあるとか。 『歌の終わりは海』と同じ立ち位置のシリーズ番外編としては『馬鹿と嘘の弓』という作品も昨年出ているのだが(こちらは興を削がない形で内容について触れられる気がしなかったので記事にもしていない)、森博嗣の新境地というか、生と死の曖昧な境界をそのまま「わからないもの」として扱いながら、ミステリィ的にはド正面から描き出していて、テクニカルで

    森博嗣による、Xシリーズに続く、浮気調査に明け暮れるリアルめの「探偵もの」──『歌の終わりは海 Song End Sea』 - 基本読書
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    soh335 2021/11/03
  • 種の宿命を問う、森博嗣によるWWシリーズ最新刊──『君たちは絶滅危惧種なのか?』 - 基本読書

    君たちは絶滅危惧種なのか? Are You Endangered Species? (講談社タイガ) 作者:森 博嗣発売日: 2021/04/15メディア: 文庫この『君たちは絶滅危惧種なのか?』は、リアルとヴァーチャルの区別が曖昧となった未来の社会を描き出していく、森博嗣によるWWシリーズの第5巻である。前巻が出たのが昨年の6月だったので、シリーズのペース的には久しぶりの刊行となる。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp Wシリーズなどと同じく全10巻であるならば、この第5巻は折返し地点となるわけだけれども、(今作に限らず)独立性の高い作品なので、どこから読み始めても問題はない。人工的に作られた有機生命体ウォーカロンが存在し、人間は人工細胞で自身らの体を作り変えて以後、子供がほぼ生まれなくなった世界を舞台としている。 世界観とか ざっと振り返ると、このシリーズの特徴

    種の宿命を問う、森博嗣によるWWシリーズ最新刊──『君たちは絶滅危惧種なのか?』 - 基本読書
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    soh335 2021/04/25
  • 集団戦バトル漫画の傑作──『鬼滅の刃』 - 基本読書

    鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:吾峠呼世晴発売日: 2016/06/17メディア: Kindle版『鬼滅の刃』が全23巻で完結した。僕はもともと熱心な鬼滅ファンというわけでもなんでもなく、映画が大ヒットした後あたりからそんなにヒットしてるならさすがに読んでみるか〜といって完全なるミーハー心で読み始めた読者である。だがしかし、読んでみたら事前に期待していた何倍もおもしろくて、途中で我慢できずジャンプで最終話まで一気読みだった。最終巻も出ることだし、一度自分が何をおもしろいと思ったのかを(こんだけの話題作だけど)自分なりに言語化しておきたい、と思った。 集団戦バトル漫画の傑作 僕が『鬼滅の刃』を読む前にいだいていたイメージって読み終わった後に抱いていたイメージと異なる部分があるので、そうした勘違いをしている人に向けてちゃんと紹介しておきたい、という気持ちもある。たとえ

    集団戦バトル漫画の傑作──『鬼滅の刃』 - 基本読書
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    soh335 2020/12/06
  • 電子生命の生きる道はどこにあるのか──『キャサリンはどのように子供を産んだのか?』 - 基本読書

    キャサリンはどのように子供を産んだのか? How Did Catherine Cooper Have a Child ? (講談社タイガ) 作者:森 博嗣発売日: 2020/02/21メディア: 文庫講談社タイガで刊行中の、森博嗣によるWWシリーズ『それでもデミアンは一人なのか?』に次ぐ第三巻である。(今作に限らず)独立性の高い作品なので、どこから読み始めても問題はない。このシリーズでは、人工的に作られた有機生命体であるウォーカロンが存在し、人間はいくつかの事情から子供がほぼ生まれなくなった。その一方で寿命はのび、ひどい事故以外では死ななくなった未来の世界を描き出していく。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 世界観とか このシリーズの特徴は、ヴァーチャルの比重が増し、リアルが縮小していく世界を描き出している点にある。現代でも多くの人がVR機器を楽しんでいるが、このW

    電子生命の生きる道はどこにあるのか──『キャサリンはどのように子供を産んだのか?』 - 基本読書
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    soh335 2020/03/05
  • 『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』 - 基本読書

    荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:陳 楸帆発売日: 2020/01/23メディア: 新書この『荒潮』は中国のSF作家を代表する一人と言われる陳楸帆による初の(そして今のところ唯一の)長篇SF小説である。陳楸帆の小説は、日でも刊行された現代中国SFアンソロジーである『折りたたみ北京』にも短篇「鼠年」が載っている。 この「鼠年」は、中国で遺伝子改造されたラットの逃亡と、その駆除隊に入った底辺層の駆除隊の青年を通して中国社会の苦境と世界を支配するゲーム・ルールを描き出していく、ローカル性とグローバル性が適度にブレンドされ、そこからさらにSFならではの情景に繋がっていく圧巻の短篇で、アンソロジー全体の中でも群を抜いておもしろかった。また、この『荒潮』は英語や、原語で読んだ人の評判もずば抜けて高く、最初から期待していたのだが──、実際読んでみたらこれがもうめちゃくちゃおもしろい! 久し

    『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』 - 基本読書
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    soh335 2020/02/01
  • 中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書

    三体 (ハヤカワ文庫SF) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon『三体』とは! 中国の作家劉慈欣によって書かれたSF三部作の第一部目にして、中国国内だけで三部作累計2100万部を刊行し、さらに日でも人気のケン・リュウによる翻訳によってアメリカ歴史あるヒューゴー賞を受賞した傑作である。ヒューゴー賞受賞の何が凄いかと言うと、翻訳書としてははじめてのの受賞になるのだ。 それぐらい作品の内容が圧倒していたともいえる。で、あまりSFとは縁のなさそうなオバマやザッカーバーグも絶賛していたりとか、アニメ化が決定したりとか話題は尽きないんだけれども、とにもかくにもこれだけは覚えて帰ってもらいたいのは、この『三体』は、話題先行の内容はまあおもしろいね、いうほどじゃないけど的な軟弱な態度で読み終わる作品ではなく、その肥大化しきっているともいえる話題性に劣らない、圧倒的なおもしろさのある、純粋におもしろいSF

    中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書
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    soh335 2019/07/08
  • 人間に子供が産まれなくなった未来を描き出す、森博嗣によるSFシリーズ、ついに完結!──Wシリーズ - 基本読書

    人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (講談社タイガ) 作者:森 博嗣発売日: 2018/10/24メディア: 文庫森博嗣による、人間による子供がほとんど生まれなくなり、人工知能などの電子知性が人間を遥かに上回る能力を発揮しはじめたばかりの状況を研究者の視点で描き出すWシリーズが先日出た第十作目『人間のように泣いたのか?』でついに完結。 この記事では完結ということでざっくりシリーズへの総評的なものをして置こうと思うが、まずなにをおいても素晴らしいSF作品であったというところは最初に書いておきたいところだ。特に、高度な人工知能、ロボットが当たり前に存在し、人々の寿命が飛躍的に世界はどのような社会をとるのか──意思決定、政治の在り方・戦争、研究手法などなど──といった描写は、10作ものシリーズ物であるから世界各地の細かい部分まで含めて描かれ、議論されており素晴らし

    人間に子供が産まれなくなった未来を描き出す、森博嗣によるSFシリーズ、ついに完結!──Wシリーズ - 基本読書
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    soh335 2018/11/05
  • 十年単位でじわじわと広まり、浸透していくような感動が──『ψの悲劇 The Tragedy of ψ』

    ψの悲劇 The Tragedy of ψ (講談社ノベルス) 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/05/09メディア: 新書この商品を含むブログを見るGシリーズ第11作目。はじまったのが2004年だから、もう14年目になる。途中で長い作中での時間・関係性の流れを表現するように刊行ペースへの調整が入り、前作からは2年、Gの最終作までは2年という、間の巻だ。この10、11(恐らく12作目も)はそれまでのGシリーズとは明らかに異なるように3部作として区切られている。 3部作って、第1部目には始まりのワクワク感と状況説明、シチュエーションの説明としての役割があるし、第3部目にはクライマックスへと向かう高揚感があるけど、中間である第2部の扱いが難しい。だが、このGシリーズの最終三部作の場合、そもそも次が”誰の”物語なのか、また何を持ってして話が終わるのか、最後まであと一作と

    十年単位でじわじわと広まり、浸透していくような感動が──『ψの悲劇 The Tragedy of ψ』
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    soh335 2018/05/14
  • 最高の青春時間SFゲーム──『ライフ イズ ストレンジ』 - 基本読書

    ライフ イズ ストレンジ - PS4 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス発売日: 2016/03/03メディア: Video Gameこの商品を含むブログ (16件) を見る作の発売日は海外版は2015年、日版は2016年で最新作というわけではないんだけれども、非常に完成度の高いゲームなのであらためて記事を書いておきたくなった(別媒体で近々レビューを書く機会があるのでプレイし直していたのもあって)。 全体の雑感 舞台となるのはアメリカの架空の田舎町であるアルカディア・ベイ。 そこの学校に通うため、5年ぶりに戻ってきた女子高生であるマックスが、突如として時間を巻き戻すことのできる能力を発現することから物語は始まり、プレイヤーは何度も選択を選び、ダメだったら巻き戻して、よりよい未来を選択できるように人を、街を変えていく──という、シンプルなシステムである。ノベルゲーマーたちは選択肢

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    soh335 2018/03/25
  • 『火星の人』のアンディ・ウィアー最新作──『アルテミス』 - 基本読書

    アルテミス(上) (ハヤカワ文庫SF) 作者: アンディ・ウィアー,小野田和子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/01/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見るアルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF) 作者: アンディ・ウィアー,小野田和子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/01/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る火星でひとり生き残った男の決死のサヴァイブを描く超ド傑作ハードSF『火星の人』のアンディ・ウィアーが月を舞台に書いた最新作がこの『アルテミス』だ。 『火星の人』はめちゃくちゃおもしろかったとはいえ、商業としてはアンディ・ウィアーの第一作で、一発だけの特大の花火だった可能性は捨てきれない。なので随分時間が経ってから刊行されたこの第二作、もちろんめちゃくちゃ楽しみではあったものの、ひょっとしたらひょっとして大駄作だったりするのでは──という不安

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    soh335 2018/01/26
  • 静かで、ゆるやかな世代交代──『ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?』 - 基本読書

    ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? (講談社タイガ) 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/10/19メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る人類は細胞を入れ替えることで寿命を飛躍的に延ばしたものの、その代わりに子供が生まれなくなった未来社会を描く森博嗣さんのWシリーズ最新巻。毎巻、仮想現実、人工知能など異なる領域をテーマにしながらスマートに描き上げてきたシリーズだが、今回のメインは生殖と親子にまつわる物語。もちろん今回も抜群におもしろい。 前巻までの話とか今巻の話とかブレードランナーとか ほとんどの人間に子どもが産まれなくなった。とはいえ、まだ一部には子どもを産むことのできる人々が存在する。人工細胞を用いて生み出され、頭脳回路に人工的な処理を施したウォーカロンの中にも、来は生殖機能を持たないはずが、

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    soh335 2017/11/01
  • 編集:森博嗣──『MORI Magazine』 - 基本読書

    MORI Magazine 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2017/07/23メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る『MORI Magazine』は森博嗣さん編集の雑誌──という体裁の書籍である。分類的にはエッセイになるだろうが、他にもインタビューを受けていたり、読者の質問にガシガシ答えていたり最近のお仕事について語っていたりする、日記ともエッセイとも読者交流とも言い難い、雑誌的な書籍であるというのが近いだろう。 もともと大和書房から森博嗣さんは『正直に語る100の講義』などの、2ページで1つのテーマでエッセイが書かれているシリーズがでていたのだけれども、こちらはお題に対して「2ページじゃなくてもっと読みたいな」とか「1ページでいいんじゃないか」とか、決まったフォーマットからくる堅苦しさみたいなところもあった。今回は、そうした制約から自由にな

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    soh335 2017/08/01
  • 基本読書

    2024-04-18 物理学・生物学的に考えた時、地球外生命体はどのような機能を持っているのか──『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』 SF 科学ノンフィクション まじめにエイリアンの姿を想像してみた作者:アリク カーシェンバウム柏書房Amazonこの『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』は、書名だけみると小学生ぐらいの夏休みの自由研究みたいだが、実際は動物学者の著者が、生物学、物理学など科学の知識を総動… 2024-04-12 なぜ言論の自由は前進と後退を繰り返すのか──『ソクラテスからSNS: 「言論の自由」全史』 献御礼 歴史 オススメ! ソクラテスからSNS 「言論の自由」全史作者:ヤコブ ムシャンガマ早川書房Amazonこの『ソクラテスからSNS』は、紀元前の古代アテナイの時代からはじまって、インターネット時代である21世紀の現代に至るまで、世界中の「言論の自由」をめぐる

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    soh335 2017/08/01
  • 生と死、人間と非人間、その境界線上を──『彼女は一人で歩くのか?』 - 基本読書

    彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ) 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/10/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るついに、といったところだろうか。 『彼女は一人で歩くのか?』は、講談社タイガという新レーベルから出た第一弾で、いわゆるライトノベル・ジャンルとも異なって(そっちは既に講談社ラノベ文庫があるし)、多少年齢層高めへ向けたキャラクター小説の流れに乗る(新潮文庫nexとかの)作品群になるのではないかと作品ラインナップを見ていると思う。読者にとってはどのレーベルから出ようが関係ないけれども。 ついに、と書いたのは講談社タイガとは関係がなく、個人的な願望であった、「森博嗣世界のSF作品が読みたい」が叶ったからだ。正確にいえば、百年シリーズはSFだし、書の折り返しでも『スカイ・クロラ』がSF作品として紹介され

    生と死、人間と非人間、その境界線上を──『彼女は一人で歩くのか?』 - 基本読書
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    soh335 2015/10/21
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