毎年、世界で約100万本の学術論文が世に出る。研究費の大部分を出しているのは、日本ならJST (科学技術振興機構)、アメリカならNSF, NASAや軍といった、国営機関である。その元手は、もちろん国民の「血税」だ。JSTの年間予算は1200億円、NSFは70億ドル(約8000億円)である。 100万本の論文のうち、いったい何%が未来にインパクトを与える研究か。おそらく、0.1%もないだろう。残りの論文は、ほとんど読まれることなく忘れられる。 税金の無駄、そんな批判が聞こえてくる理由も分からなくもない。国が予算を削るときに基礎研究が真っ先にターゲットになるものわかる。 だが、ごくごく稀に、世の中を根底から覆すような論文が出てくることがある。 1998年に”The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine”という学会論文が発