「新型うつ」という活字をはじめて見かけたのは、昨年の夏、雅子皇太子妃のご病状について書かれた週刊誌の記事の中でのことだ。 記事の主旨は、この数年来「気分障害」と説明されてきた雅子妃の症状が、実は、「新型うつ」なのではあるまいかという、一種の問題提起だった。 では、その話題の「新型うつ」とはどういう病気なのかというと、これが、「病気ではない」という。 ん? 奇妙な話だ。 病気でないのなら、はじめから話題にする方がおかしい。 というよりも、診断名として定まってさえいない症状を、特定の個人に当てはめるのは、礼を失した話ではないか。相手が皇室の人間でなくても、これは、名誉にかかわる問題なんではないのか? そんなわけで、当該の記事を読んだ時、私が強い印象を抱いたのは、「新型うつ」という言葉それ自体ではなくて、むしろ 「新しい病名を捏造してまで雅子妃の病状を深読みする意図は奈辺にあるのか」 という、記
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