Published 2023/06/03 18:14 (JST) Updated 2023/06/03 19:28 (JST) 新型コロナウイルスが変異をしても感染を防ぐ可能性のある中和抗体を見つけたと、広島大などのチームが国際専門誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に発表した。変異に強い抗体は、これまでもいくつか見つかっているが、今回のものは効果のある変異株の種類が特に多いという。 重症化し約2カ月間入院した患者の体内で偶然できていた。無症状や軽症で済んだ人では自然に作られる見込みがほぼないが、少しずつ異なるワクチンを複数回打つなどして、体内で免疫反応が長く続くようにすれば、同様の抗体を獲得できる可能性がある。 広島大の保田朋波流教授(免疫学)は「新たな変異株が登場しても追加接種をしなくていいような方法を開発したい」と話している。 チームは、流行初期に欧州から流入して広がったウイルス
体内で発生する一酸化窒素(NO)が細胞をがん化させるメカニズムを岡山大学術研究院医歯薬学域の上原孝教授(薬効解析学)らのグループが突き止めた。NOの影響を防ぐ薬も併せて開発し、マウスへの投与で腫瘍形成を抑止する効果を確認。新たな治療法の確立につながる成果という。 NOは血圧調整や記憶形成、殺菌といった重要な役割を担う一方、老化で発生量が異常に増えるとアルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患を招くなど、人体に悪影響を及ぼすことが分かっている。グループはその働きを解明するため、メチル基と呼ばれる分子がDNAと結び付いて細胞を正常に維持する現象「メチル化」に着目。ヒトやマウスの細胞を多量のNOにさらして影響を調べた。 まずシャーレのヒト細胞に高濃度のNOを投与すると、メチル化を促す酵素の働きが半減。PCR検査で大腸、胃、肺がんなどの原因遺伝子が増えていることが分かり、細胞のがん化が確認された。
従来の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードによる「オンライン資格確認」に一本化する「マイナンバー法等一括法案」の国会審議が続いている。法案は来週にも参議院を通過し、可決・成立する可能性がある。ところが、その成立間際になって、制度の信頼を揺るがすトラブルが相次いで表面化している。 厚生労働省は5月12日、マイナカードと保険証を一体化した「マイナ保険証」をめぐり、別人の情報を間違って本人の資格情報(加入している健康保険や自己負担限度額など)にひも付ける「誤登録」が2021年10月から2022年11月までの1年2カ月間に7000件以上見つかったと発表した。そのうち5件では別人の薬剤情報や医療費通知情報が閲覧されていたという。 サラリーマンなどが新たに健康保険に加入した場合、協会けんぽや健康保険組合などの保険者が本人の氏名や生年月日などの資格情報をデータベースに登録する。その際、本人のマイナン
雷は比較的身近な自然現象ですが、大規模な放電で発生した高エネルギーにより反物質が生成されることが判明するなど、まだまだ科学的な発見の尽きない現象でもあります。新しく、木に落雷した跡地で見つかった閃電岩(フルグライト)という鉱物の中から、宇宙の物質と地球上の鉱物の間にあるギャップを埋めるまったく新しい鉱物グループが見つかった可能性があるとの論文が発表されました。 Routes to reduction of phosphate by high-energy events | Communications Earth & Environment https://doi.org/10.1038/s43247-023-00736-2 USF geoscientist discovers new phosphorus material after New Port Richey lightning
5月も半ばになり、日差しが強くなってきました。日光に含まれる紫外線を利用して皮膚でつくられるのがビタミンDで、そのビタミンDをめぐって興味深い研究結果が発表されました。 東京慈恵医大の研究チームは独がん研究センターや米ハーバード大、フィンランド、豪州などと共同で10万人のデータを解析。ビタミンDサプリメントの連日内服でがんの種類に関係なくがん死亡率が12%減少したというものです。 国立がん研究センターは全国の約14万人を追跡して健康調査を行う「多目的コホート研究」の中で、すでにビタミンDとがんの関係についても調べています。ビタミンDの血中濃度によって低いグループから高いグループに4つに分けて、がんの発症リスクを分析。最も低いグループを基準とすると、2番目に低いグループは発症リスクが19%、2番目に高いグループは同25%、最も高いグループは同22%低下していました。
抗生物質の多用は「抗生物質に耐性のある菌」の進化を促進させることが知られています。抗生物質とは異なる仕組みで殺菌作用を発揮する抗菌ペプチドは耐性菌の発生を抑えられる殺菌手法として注目されているのですが、新たにオックスフォード大学の研究チームによって畜産業における抗菌ペプチドの使用により耐性菌の進化が促進される可能性が示されました。 The evolution of colistin resistance increases bacterial resistance to host antimicrobial peptides and virulence | eLife https://doi.org/10.7554/eLife.84395 Antimicrobial use in agriculture can breed bacteria resistant to first-line
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関節リウマチは、世界中の何百万人もの人々を苦しめているとされている炎症性の自己免疫疾患です。本来は肉体を守ってくれるはずの免疫が、関節組織を異物として攻撃してしまうこの病気の最終的な原因は不明ですが、その発症や進行には、人間の腸内に住む細菌が関与している可能性があることが突き止められました。 Clonal IgA and IgG autoantibodies from individuals at risk for rheumatoid arthritis identify an arthritogenic strain of Subdoligranulum - PubMed https://doi.org/10.1126/scitranslmed.abn5166 Newly Discovered Species of Gut Bacteria May Cause Some Cases o
テキサス大学オースティン校の研究チームが、脳を非侵襲的な方法でスキャンして思考を言語化できるAIシステムを開発しました。実験では脳のスキャンにMRIが用いられましたが、MRIより小さなデバイスでも思考の言語化が可能である可能性が示されています。 Semantic reconstruction of continuous language from non-invasive brain recordings | Nature Neuroscience https://doi.org/10.1038/s41593-023-01304-9 Brain Activity Decoder Can Reveal Stories in People’s Minds | College of Natural Sciences https://cns.utexas.edu/news/podcast/brai
(科学ジャーナリスト:添田 孝史) 地震のリスクを科学的に評価する(リスク評価)。その評価をもとに、被害を小さくするためハードやソフトの対策を進める(リスク管理)。それが地震防災の進め方だ。 しかし311前の東北地方の津波リスク評価は、電力会社を中心とする「原子力ムラ」の圧力でねじ曲げられており、そのため津波で多くの人が亡くなり、原発事故も引き起こした可能性がある。そんな疑惑を、元日本地震学会会長の島崎邦彦・東大名誉教授が、3月末に発売された著書『3.11 大津波の対策を邪魔した男たち』(青志社)で告発した。この告発は、一般の人だけでなく、地震学者など専門家の間でも話題になっている。 「おかしなことが起こっている」だが背景はわからなかった 島崎さんは、2002年以降、津波のリスク評価が水面下で巧妙にねじ曲げられていった経緯を、公開されていなかった議事録や電子メールなどを引用して、研究者や官
シドニー大学をはじめとする国際的な研究チームが、人間の脳を模倣したナノワイヤーネットワークが、人間の脳のように短期記憶(学習)と長期記憶の両方を示せることを実証したと発表した。 ナノテクノロジーの一種であるナノワイヤーネットワーク(NWN)は、肉眼では見えないほど微細な、導電性の高い銀ワイヤーでできたメッシュをプラスチック材料で覆ったもの。ナノワイヤーがニューロンだとすれば、ナノワイヤーが互いに接続している部分はヒトの脳におけるシナプスと考えることができ、NWNは合成ニューラル ネットワークを形成していると言える。 これを踏まえ研究チームは、機械学習タスクを実装する代わりに、それをさらに一歩進めてナノワイヤーネットワークがある種の認知機能を示すことを実証しようとした。 NWNが認知機能をどの程度示しているかを調べるために、「nバック課題試験」と呼ばれる、人間の作業記憶を評価するためのテスト
京都大学医学部附属病院は4月24日、バイオ3Dプリンタを使った末梢神経損傷の治療に世界で初めて成功したと発表した。従来の手法に比べて神経再生が良好で、副作用や合併症の発生もないという。 治験では、腹部の皮膚から採取した細胞を培養し、サイフューズ(東京都港区)製のバイオ3Dプリンタで「神経導管」をプリントした。神経導管は神経のネットワークを構成する「軸索」を伸長させる管のこと。これを損傷箇所に移植することで、軸索の再生に成功した。 3人の患者に適用し、12カ月に渡り観察を続けたが、患者全員で知覚神経が回復し、副作用もないことから、安全性と有効性が確認できたとしている。 現在、末梢神経が損傷した場合の治療法としては「自家神経移植」が主流となっている。患者の健常な神経を採取して損傷箇所に移植する手法だが、神経再生が十分でない、採取した部分にしびれや痛みが残るなどの問題があった。 京都大学医学部附
農研機構と東京大学、筑波大学の研究グループは、「アメリカミズアブ」という昆虫の作用で、食品廃棄物の臭いを抑える技術を開発したと発表しました。 ミズアブの幼虫を食品廃棄物のなかで飼育したり、その飼育した「残さ」を別の食品廃棄物に加えたりすることで、悪臭を抑えることができたということです。 農林水産省などの推計によると、食品関連事業や一般家庭から出る食品廃棄物の量は、2020年度で2000万トン以上にものぼり、それらの有用な処理方法が課題となっています。 また、食品廃棄物で育てられたミズアブは、役目を終えた後はタンパク質資源として、養殖の魚やニワトリのエサなどに利用することが可能だということです。 研究グループは、「昆虫をタンパク質源とすることは、地球規模のタンパク質危機の回避や、温暖化ガスの放出の縮減にも貢献するものと期待されている」と、この方法が産業化されることで食品廃棄物の処理に貢献でき
本記事は、浦上克哉氏の著書『もしかして認知症?軽度認知障害ならまだ引き返せる』(PHP研究所)の中から一部を抜粋・編集しています。 12の「認知症リスク因子」とは? ライフステージを「若年期(45歳未満)」「中年期(45~65歳)」「高齢期(66歳以上)」の3つに分け、それぞれの時期ごとに「認知症リスク因子」を示しています。 ライフステージによって認知症リスク因子が異なるという点は、予防にとっても非常に大事なポイントです。 たとえば、高血圧や糖尿病など、一般的な病気であれば、年齢によってリスク因子が変わるということはありません。しかし、認知症の場合には、ライフステージによってリスク因子が変わることが研究でわかったということだからです。 それでは、2020年版の論文で示されている12のリスク因子と、それぞれの発症リスクについて見ていきましょう。 まず若年期ですが、リスク因子として「低学歴」が
3月、八戸市の病院で起きた殺人事件についてです。病院が遺族に渡した死亡診断書には、死因は「肺炎」と記載されていました。「暴行」などとする司法解剖の結果と大きな隔たりがあり、被害者の妻は悲痛な思いをしています。 この事件は3月12日の深夜、八戸市小中野のみちのく記念病院に入院していた八戸市八太郎の髙橋生悦さん、当時73歳が首を圧迫されて歯ブラシで顔面を突き刺されるなどして殺害されました。 警察は同じ病室に入院していた本籍・五戸町の無職の57歳の男を殺人の疑いで逮捕し、現在、検察が刑事責任能力を調べる鑑定留置を行っています。 遺族に渡された死亡診断書です。直接の死亡原因の欄には、「肺炎」とあります。警察の司法解剖の結果は「暴行による頭部や顔面の損傷」となっていますので、大きな隔たりがあります。 そもそも被害者が亡くなった時、病院関係者からは「ちょっと転んだ」という内容の一報でした。その後死亡診
ルドル・フォン・シュトロハイムは、ジョジョの奇妙な冒険第2部「戦闘潮流」に登場するナチスドイツの軍人である。そして彼は2部の主人公ジョセフ・ジョースターと共に、2000年の眠りから目覚めた闇の生物である「柱の男」と戦うことになる。 シュトロハイム シュトロハイムは最初は生身の人間として登場したが、柱の男の一人サンタナとの戦いで、髪をむしられたり脚を切らせたり肉体を乗っ取られかけたりした果てに手榴弾で爆散し、肉体を完全に失う。しかし彼はナチスドイツの科学力で機械化人間として蘇る。 機械化したシュトロハイム 復活したシュトロハイムの姿は一見するとほぼ人間のままであり、頭部から胸にかけては生身の皮膚をしている。しかし軍服と手袋の下は完全に機械化され、機械体がむき出しになっている。またその頭部は、右目から右耳周辺が機械に覆われている。 機械体となった彼は、人間の可動域を超えた動きを可能とし、柱の男
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