「中国観」明確に示した天皇=佐藤首相、発言を利用か−「内奏」重く受け止め マイヤー駐日米大使(左)と会談する佐藤栄作首相=1969年11月11日、東京・首相官邸 昭和天皇は戦後も、首相や閣僚と個別に会い、所管事項について口頭で報告を受ける「内奏」を通じて国政に関して意見交換し、歴代首相らは天皇の発言を重く受け止めてきた。史料や日記などの公開で天皇の政治的発言が公になることはあった。ただ国連中国代表権問題が佳境を迎えた1971年、昭和天皇が佐藤栄作首相(当時)に「蒋介石支持」を促し、佐藤氏がそれを米大使に伝えていたことについて、成蹊大学法学部の井上正也准教授(日本外交史)は「外交問題で昭和天皇が明確な姿勢を示した記録は珍しい」と解説する。 昭和天皇「蒋介石支持を」=国連代表権問題、佐藤首相に促す−日米文書で判明 日本国憲法は第4条で「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政