立場によって意見が異なる問題について、本当に問われるべきことは、それぞれの文化、社会セグメントの中でYESとNOがどれくらいの割合で存在するかということではない。 より大切なのは、YES、NOと言っている人たちの背景になっている考え方が、どのようなものであるかということである。 たとえば、捕鯨の問題について考えてみよう。この件に関する日本国内の意見は、私がいろいろな人と話した結果によれば、YESが多いようである。一方、イギリスやアメリカ、オーストラリアではNOが多い。 このYESとNOの対立を、属人的、ないしは属グループ的なものにしてしまうと、もうそれ以上議論が進まない。そうして、偏見や切り捨ての原因になる。世界のさまざまな人たちが密接につながっていくグローバリズムの時代に、あまり有意義な事態には至らない。 一方、YES、NOの意見の背後にある理由や、文化的背景を言葉にして表現することには