選択的夫婦別姓制度の導入に向け、野党3党がそれぞれ法案を提出し、衆院法務委員会で審議入りした。ただ、自民党は党方針の決定を見送り、今国会ではいずれも成立しない見通しだ。党内の一部に強硬な反対論があるためとはいえ、この期に及んで導入を阻止し続けるのは不誠実極まりない。 今国会には、立憲民主党と国民民主党がそれぞれ同制度を導入する民法改正案、日本維新の会が結婚前の旧姓を「通称」として戸籍に記載する法案を提出した。

選択的夫婦別姓をめぐり、国民民主党は、今の戸籍制度の存続を前提に、夫婦が別姓を選ぶ場合、結婚する際にどちらか1人を戸籍の筆頭者とし、子どもも同じ姓にするなどとした法案の要綱をまとめました。 選択的夫婦別姓をめぐり、国民民主党は23日の政調全体会議で、制度を導入するための民法の改正案の要綱を了承しました。 この中では今の戸籍制度の存続を前提に、夫婦が別姓を選ぶ場合、結婚する際にどちらか1人を戸籍の筆頭者と定めるとしています。 そして、子どもはその筆頭者と同じ姓にすることなどを盛り込んでいます。 玉木代表は記者団に対し「家族の一体性を保ちつつ、結婚前の姓の使用を法的に担保できる内容で、結婚によって姓を変えなければならない不利益や不便を解消し、個人の尊厳の保持にもつながる。広範な合意を得るきっかけにするため、できるだけ早く国会に提出したい」と述べました。
選択的夫婦別姓制度の法制化を目指す一般社団法人「あすには」は21日、事実婚当事者の意識を分析した調査結果を発表した。選択的夫婦別姓が法制化された場合、約半数の事実婚当事者が法律婚をすると答え、20代では6割を超えた。別姓を選べない現行法が足かせとなり、結婚届が出せない「別姓婚待ち」カップルが多数いる実態が浮き彫りになった。
国民民主党の玉木雄一郎代表は27日、選択的夫婦別姓を導入するための民法改正案について28日にも衆院に提出する考えを示した。記者会見で「保守派にも一定程度理解いただける内容になった。幅広い合意形成を目指したい」と話した。立憲民主党や日本維新の会の法案と合わせ、30日にも衆院法務委員会で審議が始まる見通しとなった。 衆院で選択的夫婦別姓に関する法案の質疑が行われるのは、1997年に旧民主党が提出した法案以来で28年ぶりとなる。 ただ、夫婦同姓という原則を維持した上で公的証明書などで旧姓の通称使用を拡大する維新案と、戸籍上も夫婦別姓となる立憲案などには隔たりがあり、今国会での成立は見通せていない。 国民民主案は夫婦が別姓を選んだ場合、子の姓は婚姻時に定める戸籍筆頭者と同じにすることが柱。自民党は党内の意見集約に難航し、今国会で独自の法案提出は見送る方針。【遠藤修平、富美月、池田直】
立憲民主党は、選択的夫婦別姓制度を導入するための民法の改正案を30日、国会に提出しました。夫婦が別姓を選ぶ場合、子どもの姓をどちらにするかは、結婚する時に決めるなどとしています。 後半国会で論点の1つとなる見通しの選択的夫婦別姓制度をめぐって、立憲民主党は30日、個人の尊重や男女の対等な関係構築に必要だとして、制度を導入するための民法の改正案を衆議院に提出しました。 改正案では、夫婦の姓について、結婚する時に、夫と妻のどちらかの姓に統一するか、別々の姓にするかを選ぶとしています。 また、子どもの姓については、夫婦が別姓を選ぶ場合には、結婚の時にどちらにするかを決め、きょうだいで姓が異ならないようにするとしています。 これは、法務大臣の諮問機関、法制審議会が1996年に答申した案を踏まえた内容です。 立憲民主党は、4月8日に法案の概要をまとめて以降、ほかの党にも内容を説明していて、多くの党の
自民党の片山さつき参院議員は4月9日、東京新聞の取材に応じ、選択的夫婦別姓制度導入の是非について今国会(6月22日まで)中に党内の意見を集約するのは難しいとの認識を示した。 片山氏は、制度導入に反対する自民党議員でつくる「婚姻前の氏の通称拡大・周知を促進する議員連盟」の中心メンバー。「党内のコンセンサスを作れればいいが、作れないのに無理やり何かの案に決めるということは良くない」と述べた。 3月以降は米国のトランプ政権による「相互関税」への対応などで「それどころではなくなっている」として、「急いでバタバタと、バナナの叩き売りのようにする問題とは程遠い」とも説明し、結論を急ぐべきではないとの考えを強調した。
選択的夫婦別姓をめぐり、自民党は今月、党内の議論を再開することにしていて、制度の導入に前向きな意見と慎重な意見の双方がある中、どのように集約を図るのかが焦点となります。 選択的夫婦別姓をめぐっては、自民党内で制度の導入に前向きな意見と慎重な意見の双方があり、石破総理大臣は党の見解をできるだけ早くまとめて公明党と協議を行いたいとしています。 このため自民党は、今月中旬にも党の作業チームでおよそ半年ぶりに議論を再開することにしていて、先週には、座長を務める逢沢元国会対策委員長ら幹部が、過去に国会に提出された議員立法の内容を確認するなど、準備に当たりました。 党内では、前向きな立場の議員が、経済界からも導入を求める意見が出ており、速やかに結論を出すべきだとしている一方、慎重な立場の議員は、制度を導入しなくても旧姓の通称使用の拡大などで不都合を解消できるとしていて今週、保守系の議員が会合を開く予定
経団連の十倉雅和会長は7日の記者会見で、選択的夫婦別姓の導入を求める昨年6月の経団連の提言で指摘した「旧姓の通称使用によるトラブルの事例」の多くが解消されつつある状況について「トラブルが無くなったかといえばそうではない」と述べ、婚姻に伴う姓変更が女性が多い状況を踏まえ、「女性のアイデンティティーをどう考えるかという問題だ」と述べ、国政での議論の深化を求めた。記者団とのやり取りは以下の通り。 オール・オア・ナッシングではない──経団連が提言で指摘した「旧姓の通称使用によるトラブルの事例」の多くが既に解消されている 「われわれはオール・オア・ナッシングの議論をしているつもりはない。トラブルが皆さん方の努力で減ってきたというのは、その通りだと思う。私はいろいろな議員の先生とも話した。夫婦別姓制度に反対の先生もいらっしゃる。そういう先生ほど、こういう問題には一生懸命熱心に取り組んでいる。その努力は
選択的夫婦別姓の導入を目指す立憲民主党は、夫婦が別の姓を選ぶ場合、子どもの姓は結婚する時に決めることなどを盛り込んでまとめた法案の要綱を国民民主党や共産党などほかの野党に説明し、賛同を呼びかけました。 立憲民主党は8日、夫婦が別の姓を選ぶ場合、子どもは、結婚する時に夫と妻のどちらの姓にするか決めることなどを盛り込んだ、民法の改正案の要綱をまとめました。 これを受けて、担当の議員が9日国民民主党、共産党、れいわ新選組、社民党の担当議員のもとを訪れて要綱の内容を説明し、賛同を呼びかけました。 このうち、共産党の本村伸子衆議院議員の事務所では、立憲民主党の黒岩宇洋衆議院議員が要綱を手渡し、広く賛同を得るために法務大臣の諮問機関、法制審議会が1996年に答申した案を踏まえた内容になっていることなどを説明していました。 黒岩氏は記者団に対し「説明に回って相応の感触を得た。今後、ほかの野党に加え、与党
Published 2025/03/25 21:39 (JST) Updated 2025/03/25 21:53 (JST) 立憲民主党の野田佳彦代表は25日のBS日テレ番組で、野党が一致して衆院で可決した法案が与党多数の参院で否決された場合、内閣不信任決議案提出を検討する意向を示した。選択的夫婦別姓制度導入法案を例に挙げ「野党が固まれば議員立法が衆院を通過する。国民が支持する政策を参院で否定しにくい状況になる。石破茂首相が呼応しないなら不信任も当然、視野に入る」と述べた。 内閣不信任案に関し「伝家の宝刀だ。恒例行事のように出してきたが、今回ばかりは衆院解散を伴う」と指摘。提出については「野党の足並みなどを総合的に判断し、適切なタイミングで考えたい」と語った。
古市憲寿氏「頭悪いんじゃないですか?」 30年進展しない夫婦別姓議論、反対続ける自民党に苦言
次はスイス。2013年に法律が変わり、夫婦別姓を選べるようになった。この際に複合姓の制度は廃止された。「配偶者の立場が平等になりつつある」のが理由だ。ただ、夫の姓に改姓する女性、夫の姓を名乗る子どもは多いままだった。 その後、別姓の親子には手続き上の不便があるとして、複合姓を復活させる機運が高まった。議会では、子の姓で“二者択一”を迫られることが「両親の権利の平等に反する」と指摘があったという。 【フランス】 子の姓に対する夫婦平等のムーブメントは、別姓が原則の国でも沸き起こった。フランスは特別な手続きをしない限り、子どもは父の姓を名乗る運用だった。しかし「父と母の姓には同じ価値がある」と反対運動が拡大。2022年の法改正で手続きが簡素化された。母の姓や複合姓を付けるハードルが下がった。 ▽日本は女性の改姓が圧倒的、子どもは夫の姓に 日本の民法は婚姻時に夫か妻の姓を称するよう規定し、子も両
保守派の代表格で、制度導入に慎重な姿勢を維持する自民党の高市早苗氏は、2月の自民党の会合後に次のように述べている。「ファミリーネームがなくなり、子どもの氏もばらばらになる」 別の会合では、子の姓が決まらない場合に長期間「無戸籍の子」になる可能性を指摘した。「親子も別姓にできるということになると、その間、皆さん相当混乱されますよ。社会的に」と強調した。 こうした状況に専門家は「子の問題を導入できない口実にしてはならない」と指摘する。 海外に目を向けると、別姓制度を導入した後に課題を解消した国もある。先行事例に学べることはあるだろうか。(共同通信=三野多香子) ▽別姓導入…想定される、子どもを巡る課題は 仮に日本で別姓制度が導入された場合、子どもの名字にどんな課題が生じるだろうか。 まず考えられるのは、夫婦間の話し合いがまとまらない場合だ。家庭裁判所に判断を委ねる案が挙げられている。ただ、「家
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