【ワシントン=村山祐介】大地震に襲われたハイチの被災地上空で、米軍機がラジオ放送を使い、ボートで米国に来ないよう呼びかけている。強制送還を示唆する内容で、「今すべきことか」という疑問の声も上がっている。 19日付のニューヨーク・タイムズなどによると、ラジオ放送機材を積んだ米軍の貨物機が連日約5時間、上空から被災者向けにニュースなどを放送。その中で、ジョセフ駐米ハイチ大使が現地語で録音した「ボートで急いで出国しようとしないでください」とのメッセージが繰り返し流されている。 メッセージはさらに「米国への扉が広く開かれていると思うなら、まったくそうではありません。海上で即座に阻止され、元の場所に送還されるでしょう」と続く。 米国務省の19日の会見では、記者から「非常に残酷だ」「なぜ必要なのか」と疑問が相次ぎ、クローリー次官補は「海を渡るのは危険な試みだとはっきり理解してもらうためだ」として