今からさかのぼること130年前の1880年、フランスのキュリー兄弟は水晶板を使って圧電効果(「圧電現象」または「ピエゾ効果」とも呼びます)を確認しました。ある特定の結晶に外部から力を加えると、その外力に応じて表面に電荷が発生するという現象です。圧電効果とは逆に、外部から結晶に電気を加えると結晶がひずむ「逆圧電効果」と呼ぶ現象もあります。 水晶デバイスは圧電効果と逆圧電効果によって、安定した周波数を生み出します。水晶デバイスには、水晶素子の切断角度で決まる固有の振動モードがあります。外部から電気信号を加えて発生させた機械的な固有振動を、水晶素子表面の電極から電気信号として再度取り出すことで、安定した周波数の基準信号が得られるのです。 用途に応じて適した発振器を選ぶ 基準信号を得るには、水晶デバイスを使う以外にも、複数の方法があります。例えば、インダクタンス(L)とキャパシタンス(C)を組み合